「食の多様性」への理解を深めようと、長崎市の事業者が独自に開発したメニューのお披露目会が開かれました。
インバウンドや食にアレルギーを持つ観光客などの満足度向上を図ろうと、長崎国際コンベンション協会が初めて企画し、鈴木長崎市長や関係者などおよそ20人が参加しました。
会場には、ANAクラウンプラザホテル長崎グラバーヒルが開発した「完全菜食主義者」=「ヴィーガン」向けのちゃんぽん。いずや弁当が開発した、イスラム教の食事制限に合致する「ハラール」に対応した天ぷら重が並びました。
グラバーヒルが開発したちゃんぽんや皿うどんは、去年10月からホテル内のレストランで提供しています。スープは、豚骨や鶏ガラを使わず、タマネギをベースにしたおよそ10種類の野菜からうま味を引き出しました。
長崎グラバーヒル 八谷智之総支配人:
「観光でお越しのインバウンドのお客様、食に制限のあるお客様がお見えになるので、そういった方々に好評です」
いずや弁当の2種類の天ぷら重は、肉やアルコールの入った調味料は使っていません。食材にも、肉や魚、卵を使わず、衣にはグルテンフリーの米粉を使っています。
一番苦労したのは和食に欠かせない「天つゆ」の開発でした。
いずや弁当山口悦子社長:
「カツオとかの代わりに昆布だしと野菜だしを使わせてもらっています。まだ合格点とはいかないと思いますが今の段階ではこれでと」
鈴木長崎市長:
「長崎の食を盛り上げていきたい、もっともっと知ってもらいたい、その情熱の表れだと思います。いいメニューが出来上がったと思います」
長崎国際観光コンベンション協会は、「『食の多様性』に対する潜在的なニーズは大きい。長崎の魅力を味わい尽くせるような環境を地域の事業者と一緒につくっていきたい」としています。