2025年6月、アメリカ海軍は、佐世保基地に最新鋭の強襲揚陸艦「トリポリ」を配備しました。その際、メディア向けに艦内ツアーを実施し、一部を公開しました。
6月23日午前9時すぎ、「トリポリ」(満載排水量約4万5000トン)は佐世保港内に姿を見せました。「トリポリ」は、2020年に就役した最新艦です。
2019年から佐世保基地に配備されていた強襲揚陸艦「アメリカ」と交代する形での配備です。乗組員は最大1100人で、作戦時には海兵隊員1300~1800人を乗せるということです。
佐世保基地の岸壁に接岸した後、正午ごろから報道関係者が艦内に案内されました。最初に案内されたのは、格納庫です。
強襲揚陸艦の多くにLCAC(エアクッション型揚陸艇)など上陸用の舟艇を運用するためのウェルデッキ(ウェルドック)がありますが、トリポリには、前任の「アメリカ」と同じくウェルデッキはありません。ウェルデッキを無くしたことで、航空整備施設や部品、支援機器、航空燃料を収容するスペースを拡大し、航空作戦に特化した設計になっているということです。
格納庫からは、スロープをのぼり甲板に案内されました。全長約257メートル。最大幅は、約32メートル。ステルス戦闘機「F-35B」は最大20機、輸送機「オスプレイ」は10機から12機搭載できます。「F-35B」は、上陸して戦闘中の海兵隊員を支援することを目的としています。
配布された資料では、MH-60S シーホーク 、MH-60R シーホーク 、 AH-1Z コブラ 、UH-1Y ヒューイなどのヘリも搭載すると説明されています。今回のツアーで、航空機が搭載されていることは、確認できませんでした。
この後、艦長のエディ J. パク大佐が記者会見を開きました。
エディ J. パク艦長
「佐世保到着は、アメリカの政策の一環として行われています。最先端の能力を併せ持つ最新鋭の部隊を日本に配備することで、私たちのパートナーである自衛隊とともに日本の共同防衛に取り組むアメリカのコミットメントを支援するためのものです。私たちの海軍兵と海兵隊員は高い能力を併せ持つ前方展開海軍戦力の一員となり、インド太平洋地域における安全保障、安全、繁栄に貢献する準備ができています」
ツアーの最後には、艦の医療、整備、補給の各担当からそれぞれの任務について説明がありました。強襲揚陸艦がアメリカ国外に配備されているのは佐世保基地だけということです。