トランプ大統領は、広島と長崎の原爆投下を引き合いにアメリカ軍によるイランの核施設への攻撃によって戦争が終結したと述べました。長崎の被爆者は・・・
トランプ大統領:
「(イランへの攻撃は)本当に破滅的だった。広島や長崎を見れば分かる。あれ(原爆)も戦争を終わらせた。今回の攻撃は形は違うが、同じように破滅的で戦争を終わらせた」
トランプ大統領は25日、アメリカ軍によるイランへの攻撃を広島と長崎への原爆投下になぞらえ、核施設を完全に破壊することで、イスラエルとイランの「戦争を終わらせた」と述べました。
トランプ氏は核施設への攻撃は限定的な効果しかなかったとする報道に反論し、「イランが再び核開発に関与することはないだろう」と主張しました。
トランプ大統領:
「あの一撃が戦争を終わらせました。広島や長崎を例に出したくはないが、『戦争を終わらせた』ということでは本質的には同じ」
これに対し長崎の被爆者は…。
長崎原爆遺族会 本田魂会長:
「本当に核兵器の恐ろしさを全然わかっていない」
長崎県被爆者手帳友の会 朝長万左男会長:
「非常に驚きましたけども、やっぱりこの人は古い時代のアメリカ人だなと思いました。核を持ってアメリカの若者の何十万かの犠牲を回避すると、アメリカ国民を戦後、納得させてきたわけですね。その時代の頭ですね。トランプさんは完全に。怖いと思いますね。そういう頭の人がトップに立っているというのは」
朝長氏は「原爆を核施設の破壊と同等視して、うまくやったと自画自賛するのは、ひっくり返った考え方だ」としています。
鈴木市長も午後、取材に応じ、トランプ大統領の発言に遺憾の意を示しました。
鈴木長崎市長:
「仮に原爆投下を正当化するものであるとすれば、被爆地として大変遺憾に思います」
鈴木市長は1月、広島の松井市長と共に訪問したアメリカ大使館を通じて、トランプ大統領に被爆地を訪れることや、核兵器廃絶に向けてリーダーシップを発揮するよう要請していました。
鈴木長崎市長:
「トランプ大統領をはじめとする世界の指導者の皆様に被爆地に実際に訪問していただいて、その目で見て、そして耳で聞いて、心で感じていただく。それによって被爆の実相を理解していただく。そして、平和の思いを共有していただくことを願っております」
鈴木市長は、アメリカ大使館を通じてアメリカ側に抗議することについては、「発言の正確な趣旨を承知しておらず、現時点では申し入れをする予定はない」と述べました。