カトリック長崎大司教区の複数の神父からパワハラを受けてPTSDを発症したとして、元職員が大司教区に損害賠償を求めた裁判は17日に和解が成立しました。
訴状によりますと大司教区の人権相談室に勤務していた元職員は、神父による横領や性暴力事案などへの対応をめぐり、複数の神父からパワハラを受けて、PTSDを発症。退職後の2022年に大司教区に対して約5380万円の損害賠償を求める訴えを長崎地裁に起こしていました。
裁判は17日に大司教区が、元職員に和解金を支払うことや、元職員の名誉を害する言動をしないよう、所属する司祭や関係者らに説明することなどで和解が成立しました。
原告側 中鋪美香弁護士:
「最終的には原告自身も納得できる金額で合意に至ることができた。原告自身が安心して生活をしていけるように担保するということができたことは非常によかった」
一方、和解金額については和解条項に基づき明らかにしていません。
元職員は弁護士を通じて「とても孤独な日々だった」などとコメントしました。
原告側 中鋪美香弁護士:
「このたび裁判所が私の傷付きや相談室の業務に熱心に取り組んできたことを認め、総合的に考慮して和解を勧告してくださったことに深く感謝いたします。裁判は終わりましたが、私はこれからも人には言えない一抹の孤独や悲しみを抱えながら、人生を歩んでいくことになります」
一方、大司教区は和解が成立したこと以外については答えられないとしています。