被爆８０年「平和への誓い」過去最高齢の被爆者代表 横浜市の西岡洋さん(93)

被爆から８０年の節目となる今年の８月９日の平和祈念式典で「平和への誓い」を読み上げる被爆者代表が決まりました。

選定審査会が２日に行った映像審査で、最終候補の７人の中から選んだのは横浜市に住む９３歳の被爆者、西岡洋さんです。被爆者代表としては過去、最高齢となりました。県外に住む被爆者が「平和への誓い」を務めるのは３例目です。

西岡さんは１３歳の時、爆心地から３．３キロ離れた長崎市鳴滝町の旧制県立長崎中学校の校舎内で被爆しました。すさまじい爆風の中、頭を抱えて転がり込み、無傷で済みましたが、友人たちはナイフのように尖った割れた窓ガラスが体に刺さり、血だらけになっていたといいます。

西岡洋さん（９３）：
「核兵器を何とかしてなくせないかということが一番。この機会に何とか被爆の状況と核兵器の怖さを知らしめる機会になればいいなと思っております」

西岡さんは去年、ノーベル平和賞を受賞した日本被団協や神奈川県原爆被災者の会に所属し、神奈川県内の中学校を中心に被爆体験講話を行ってきました。

西岡洋さん（９３）：
「逃げないで、救護活動を学校から指名されたんですけど、そういう経験をした人はあまりいないと思う。それを中心を長崎市内を歩いたお話を出来ればと思っております」

選定審査会の調漸会長は、西岡さんを選んだ理由について「中学校時代の仲間や親戚が亡くなったことを鮮明に記憶していて、被爆当時の実体験の描写が極めてはっきりしていた」としています。