被爆から80年となる今年の8月9日の平和祈念式典について鈴木市長は去年、招待しなかったロシアやイスラエルなどを含めて、日本に大使館などを置く全ての国と地域に招待状を送ると発表しました。
鈴木長崎市長:
「改めて原爆犠牲者の慰霊、そして世界恒久平和の祈念2つの平和祈念式典本旨に立ち戻って考えました。駐日外国公館等がある国や地域には全て、駐日大使などの代表宛に招請状を送付することと致します。これには昨年招請しておりませんロシア、ベラルーシ、イスラエルも含まれます。恩讐を越え、国境を越え、思想信条の違いを越え、すべての分断を乗り越えてあらゆる国の代表に被爆地・長崎に集まっていただく式典にしたい」
長崎市は抗議デモなど「不測の事態が起きる懸念がある」として2022年からウクライナ侵攻を続けるロシアと同盟国のベラルーシを、去年は更にパレスチナ自治区・ガザを攻撃するイスラエルも含めた3カ国を招待しませんでした。イスラエルを不招待とした市の方針に対し、日本を除くG7とEUの大使が欠席する事態となりました。
鈴木長崎市長:
「去年があっての今年というところもございます。去年、様々な議論がございました。そういうことも踏まえての部分もありますし、それからこの1年間で国際的な分断がより深刻化しているというふうに感じております。そういうところも踏まえて、総合的に判断させていただいた。国際社会で分断が深刻化しているいまだからこそ、あらゆる国の代表の方々に長崎平和祈念式典に参加していただき、核兵器使用の残虐で非人道的な結末についてその目で見て、その耳で聞いて、そしてその心で感じていただきたい」
長崎市は早ければ5月中にも日本に在外公館を置く157全ての国と地域に招待状を送る予定です。招待状には「厳粛で平穏な式にしたい」という市の思いもメッセージとして、盛り込むとしています。
一方、広島市は、8月6日の平和記念式典について、各国を「招待」するこれまでの形式から、式典の開催を知らせ、出欠の判断を委ねる「案内」に変更するとしていますが、鈴木市長は「変更する必要性を感じていない」として従来通り、「招待」する形式を取るとしています。