先月、壱岐沖で医療用ヘリが着水・転覆し、3人が死亡した事故で、ヘリ後方の部品が折れていたことが分かりました。点検のため県のドクターヘリも一時運休しましたが、5日から再び運航を再開しました。
事故は先月6日、対馬から福岡和白病院に患者を運んでいた「エス・ジー・シー佐賀航空」運航の医療搬送用ヘリが壱岐沖で不時着水し転覆。
86歳の女性患者と付き添いの68歳の息子、34歳の男性医師の3人が死亡したものです。
国の運輸安全委員会は今月2日、ヘリのテール・ローターを制御する「コントロール・ロッド」の前方部が破断していたと発表しました。この装置が機能しないと機体の左右の制御が困難になるということです。
報告を受けた国交省は、国内で運航している同型のヘリ85機の所有者に対し、それぞれ部品を点検し、必要に応じ交換をするよう2日付で通知しました。
県のドクターヘリも同型機で、翌3日の朝から点検したところ、「コントロール・ロッド」に異常はありませんでしたが、周辺の部品にわずかな変色が見つかりました。
県のドクターヘリは、事故翌日の4月7日から運航を休止し、点検を終えて今月2日に運航を再開したばかりでしたが、安全に万全を期すため、県はドクターヘリを再び運休し、メーカーに確認しました。
確認の結果、変色していた部位は劣化や腐食ではなく、汚れでした。県は汚れを除去し、運航に支障がないことを確認したとして5日、運航を再開しました。
再運休した3日と4日の2日間、代わりの県防災ヘリ(3日)と佐賀県のドクターヘリ(4日)でそれぞれ1回、患者を搬送したということです。