4月、長崎市内の女性のもとに警視庁の警察官を語るニセ電話詐欺がかかってきました。県警がその音声データを公開し注意を呼び掛けています。
ニセ警察官:
「こちら警視庁捜査二課のシライシと申します。今お電話大丈夫でしょうか」
女性:
「はい、大丈夫です」
4月18日の朝、長崎市内に住む20代の女性のスマホに警視庁の捜査二課の「シライシ」を名乗る男から電話がありました。
ニセ警察官:
「今回、岐阜県警からの捜査協力依頼など受けておりまして、連絡しておるんですが、事件のことで詳しくお話を聞きたいので岐阜県警まで出向くことは可能でしょうか」
女性:
「あのー、何のことかわからないんですけど」
男は女性に遠く離れた岐阜県警まで来るよう求めてきました。
ニセ警察官:
「岐阜県の事件と聞いてですね、何か心当たりというのはないですか?」
男は「事件」と語って女性に不安をあおるような言葉を使ってきます。
しかし、ここで男にとって想定外の事態が…。
女性:
「父が警察官なので聞いてみていいですか?」
女性の父親は早岐警察署に勤務する警察官でした。
ニセ警察官:
「はい、えー、〇〇県の県警の方ですか?」
女性:
「何が聞きたいんですか?」
ニセ警察官:
「えーとですね、事件の管轄が違うので、情報共有等はしていないんですよ」
女性:
「大丈夫です、父に代わります」
女性が警察官の父に代わると伝えると、男は一方的に電話を切りました。
県警によりますと、最近は犯行グループが住所や名前、連絡先などを把握した上で、電話をかけてくるケースが増えているといいます。
今年に入って警察官をかたるニセ電話詐欺の認知件数は、去年の同じ時期より11件多い、13件。被害総額も増えていて、8000万円以上に上っています。(前年同期比+8047万円)
県警は相手が警察官を名乗った際は、自身でその警察署に確認するなど注意を呼び掛けています。