当時、全国最年少で知事選に初当選した大石知事。最終年度を迎え、この1年に懸ける意気込みを語りました。
大石知事:
「振り返るとあっという間と言いますか、私としては長崎県を少しでも前に進めていく、皆さんがここで生まれてよかったなと、長崎県民であることを、ゆかりを持つということを誇りに思っていただけるように全力で走り抜けてきた3年間だったと思います」
この3年で印象深かった出来事は?
大石知事:
「長崎県の発展という意味で印象深かったことを挙げるとすれば、国家戦略特区の指定が非常に印象に残っています」
県は去年6月、ドローンによる有人地帯の目視外飛行=レベル4飛行の規制が緩和された「国家戦略特区」、「新技術実装連携“絆”特区」に福島県と共に全国で初めて指定されました。
大石知事:
「人の手が必要だった、そして時間もコストもかかっていたものが、ドローンでやることで効率的にコストを下げた形で実現できるようになってきますので、当たり前になるような世界が長崎県で実現していくとそれは確信してます。国家戦略特区は指定が終わって終わりではなく、新たに規制緩和を提案することを求められる制度です。課題が多い場所だからこそ、規制に対する問題意識とか提案とかそういったことをしていかなくてはいけない。そういう意味では国家戦略特区の指定というのは大きな入口に立てたなと思ってます」
一方で、県が長年抱える重点課題はいまだ足踏み状態が続いています。
2022年9月、整備計画決定(1973)から約半世紀の時を経て開業した西九州新幹線。長崎-武雄温泉間(佐賀)を最速23分で結ぶ「日本一短い新幹線」です。
武雄温泉で新幹線と在来線特急を対面で乗り換える「リレー方式」で運行し、長崎-博多の所要時間は、最速でおよそ30分短縮されました。
しかし、在来線の武雄温泉ー新鳥栖間の新幹線整備は、佐賀県と国の協議が進まず、平行線を辿っています。
また川棚町に建設を進める石木ダムは、住民の理解を得られず、2025年度としていた完成年度を7年延期する方針が決まりました。物価上昇などの影響で総事業費は285億円から135億円増加し、420億円になる見込みです。
大石知事:
「(西九州新幹線の)開業の瞬間に立ち会えたことは感慨深いものがありました。佐賀県と長崎県で相反するものではなくて課題になっているものについてはお互い共通するものもあるんです。共に一緒に解決していくということも重要になってくると思います。国を交えた協議が必要になってくると思いますので、私としてはそういった協議の場が開催されて議論が進んでいくように県としても努力をしていきたい。長崎にとって一番いい形にしていくことが僕の責任だと思っています。石木ダムは県民の安全安心を守る上で必要不可欠な事業でございますので、今後も理解を頂ける努力を続けていきたいと思います」
39歳で初当選し全国最年少知事となった大石知事。しかし、この知事選を巡り、自身の後援会に2000万円を貸し付け、655万円の返済金を受け取った「架空貸し付け」疑惑など複数の政治資金に関する疑惑が浮上しました。
県議会は、二度の全員協議会や総務委員会の集中審査で疑惑の解明を試みましたが、いまだ全容解明に至ったとは言い難い状況です。県政の停滞を招いているとも指摘を受けています。
大石知事:
(残り1年間で挽回していきたい考えか)
「もちろん、これは私のことで迷惑をおかけしたいうことは本当に反省をしています。私自身、しっかり県政の発展に資するような取り組みを全力でこれからも引き続きやっていこうと思っています」
県民の信頼が揺らぐ中、2期目への挑戦については…。
大石知事:
「今は全く決まったものはあるわけではありませんし、まだ課題が残っているという指摘もありましたけど、そのことを受け止めて自分にできることを一つでも多くしっかりと全力でやっていくことに尽力、注力していきたいと思ってます」