今月、アメリカ・ニューヨークの国連本部で開かれた核兵器禁止条約の第3回締約国会議に派遣された長崎大学核兵器廃絶研究センター=RECNAの教員3人が成果を発表しました。
「RECNA」として初めて派遣された河合公明副センター長と鈴木達治郎教授、中村桂子准教授の3人は、研究活動の一環で会議に出席し、最終日には河合公明副センター長が安全保障上の懸念をテーマに議論するセッションで、核兵器に依存する国々と核兵器禁止条約を推進する国々が建設的に議論するにはどうしたらよいか、約6分間発言しました。
核兵器禁止条約は2021年に発効し、これまでに94の国と地域が署名、73の国と地域が批准しています。
3回目の締約国会議には、56の締約国と31のオブザーバー国が参加しましたが、核保有国のアメリカやロシアは不参加でした。
また、アメリカの核の傘に頼る日本や、前回参加していたベルギー、ドイツ、ノルウェーといったNATO加盟国も不参加でした。
会議では、「核抑止」が本当に機能するのか、確証が得られないという考え方が示され、締約国が科学的知見に裏打ちされた議論を展開し、核抑止論に正面から挑む姿勢を強めていくという方向性などが明確化されました。
鈴木 達治郎 教授:
「何パーセントくらいの確率で核兵器は使われるかという議論をしていたんですけど0.1%、0.001%などいろいろな数字が専門家の中で出てくると、ところが「0」と言った人はいないんですね」
「核抑止と言っているけれどおそらく多く、ほとんどの専門家は核兵器は必ず、ある限りは使われるだろうと考えている。核抑止を信じている人でも確率は低いかもしれないけれど「0」ではないということが科学的な根拠な点で言えば私にとって印象的だった」
核兵器禁止条約の再検討会議は、来年11月30日から12月4日にかけて南アフリカを議長国としてニューヨークで開かれます。