千利休を祖先とする茶道三千家のひとつ「表千家」の家元が被爆80年に合わせて、浦上天主堂で「献茶式」を執り行いました。
晴れやかな着物姿の女性たちが集まった浦上天主堂。献茶式には、県内を含む九州・山口各県の表千家同門会の会員約300人が参列しました。「表千家」の家元・猶有斎千宗左さん(54)は、表千家同門会長崎支部の65周年と、長崎県青年部15周年の記念行事に参加するため、京都から長崎を訪れました。
献茶式は、主に諏訪神社で執り行ってきましたが、被爆80年の今年は初めて浦上天主堂で執り行いました。まずは茶道具を「袱紗」と呼ばれる絹の布で拭き、釜に入っているお湯をすくって天目茶碗を清めます。そして、濃いめのお茶「濃茶」と薄めの「薄茶」の二服をたて、祭壇に供えました。
長崎市内から:
「教会に入っての献茶式は初めてでしたので大変貴重な経験をさせていただきました。お茶でつながる平和へのつながりの意味も感じた」
佐賀から:
「この雰囲気というのは忘れないと思います。とてもとても恐れ多くて涙が出そうでした。ありがとうございました。長崎はいい所です」
参列者たちは厳かな雰囲気の中、普段は見ることができない家元のお点前に見入っていました。