現職の町長が逮捕された佐々町発注の公共工事を巡る官製談合事件で、町長の古庄剛容疑者(77)は、入札の最低制限価格に近い価格を短時間の間に漏らし、談合を繰り返していた可能性もあることが分かりました。
町長の古庄剛容疑者(77)は、去年7月に実施した町営松瀬団地AB棟の給水管改修工事の指名競争入札で、佐々町の会社員、山口情二容疑者(62)に最低制限価格1657万3300円に近い金額を伝え、佐々町の木田栄三容疑者(53)が代表取締役を務める株式会社山龍に1万6700円差の1659万円で落札させた疑いが持たれています。
町によりますと、最低制限価格は入札当日の午前8時45分に、町長室で古庄容疑者と建設課長、課長補佐の3人で決定し、45分後の午前9時半から入札が行われました。古庄容疑者は入札に立ち会っておらず、決定から入札まで45分の間に情報が漏れた可能性があるということです。
また今年度、全41件の入札のうち「山龍」は15件に参加し、4件を落札。そのうち3件は最低制限価格に近い1万2100円から6万9300円差での落札でした。
古庄容疑者は、1972年に佐々町役場に入庁し、総務理事や副町長などを歴任。2009年の町長選で初当選し、現在4期目です。
古庄容疑者と山口容疑者をよく知る関係者によりますと、2人は古庄容疑者が町職員だった頃からの長い付き合いがあり、県警も「古くからの知人同士」としています。
山口容疑者は、木田容疑者とは別の建設会社に勤務。古庄容疑者から入札情報を聞き取り、業者に入札を割り振る役割を担っていた可能性があるということです。
県警は、談合が繰り返されていた可能性や3人の間で金銭の授受があったかどうかなど、贈収賄の疑いも視野に調べを進めています。