長崎市で日常の風景などを描いた油絵と水彩画の作品展が開かれています。
自然の中の季節感や色彩の美しさ。画家で、高校の美術教師だった加野尚志さん81歳の絵画教室に通う生徒の作品を集めた「西の会展」です。
25回目の今回は、10代から90代の生徒37人が身近な風景や花、果物など、日常の中で見つけたモチーフをそれぞれの視点で描いた作品74点が並びます。「西の会」の開講25周年を記念し、講師である加野さんの作品12点も出展しています。
中でも力作は、たまたま通った農道から見た景色をモチーフにした「皐月の宵」。
画家・加野尚志さん(81):
「ちょうど夕日が沈みかけてじゃがいも畑にビニールがかけてあったのが光り出した。うわ~すごいと思って」
真ん中の百合の花にはある思いが…。
画家・加野尚志さん(81):
「母が前年亡くなったので仏様が夕方降りてくる来迎図みたいな母への追悼の意を絵にしたいなと思って」
こちらは、絵画教室に通う生徒の城戸かおるさん(66)の作品「待春」。冬から春へ、季節の移り変わりを表現しています。
城戸かおるさん(66):
「自然の美しさや生命の輝きとかを表現したいので花を使って季節感も入れられたらいいなと思って」
城戸さんは絵画教室の1回生。25年間通い続けています。
城戸かおるさん(66):
「自分が納得いくまで描くというのが(西の会の特長)なのでコツコツ時間をかけて描く楽しさを味わっています」
約17年間教室に通う山外由紀さん(63)の作品。海外に住む息子から送られてきた孫の写真をモチーフにしました。
約17年教室に通う山外由紀さん(63):
「絵を描くのって乾かし乾かしなんですよ。待つという部分が結構大きいので今の時代に逆行しているかもしれないがこういう時代だからこそぜひアナログの世界に興味を持っていただければ」
作品を見て楽しむだけでなく、趣味を広げるいいきっかけになるかもしれません。
「西の会展」は、次の日曜9日(日)まで県美術館の県民ギャラリーで開催しています。入場は無料です。