古里の新たなお土産品になるか、期待が懸かります。SDGsを学ぶ西彼農業高校の生徒が地元産の規格外野菜を活用したお菓子を開発しました。
県立西彼農業高校食品加工部・前田紀乃部長(3年):
「内側がカボチャペーストを普通生地に混ぜて焼いたもので外側が普通生地を焼いたものです。外側のコーティングがホワイトチョコに抹茶を加えてコーティングしました。味に自信があります」
開発したのは、カボチャたっぷりのバウムクーヘン。西彼農業高校の食品加工部の9人の「西海愛」が詰まっています。
数年前に、市の農業振興公社から「地元で栽培している規格外野菜の新しい利用法を考案してほしい」という依頼を受けました。食品加工部のメンバーは、味はいいのに、傷や形の悪さで廃棄されるカボチャを素材にしたバウムクーヘン作りに2023年2月から取り組みました。
なぜ、バウムクーヘンだったのか…それは、県内の農業高校5校のうち唯一「バウムクーヘン専用のオーブン」があったからです。最初は硬いカボチャを切るのに苦戦しました。
県立西彼農業高校食品加工部・前田紀乃部長(3年):
「少しの力で楽に切れる切り方を先生が教えてくれてそれで何とか切ることができたと思います。慣れるまではとても大変だった」
カボチャの分量や焼き方など試行錯誤の末、去年の8月、バウムクーヘンの製造に成功。自分たちの理想の味にたどり着くまで1年半もかかりました。
県立西彼農業高校食品加工部・前田紀乃部長(3年):
「規格外カボチャをよりおいしくして商品として開発したことで規格外のカボチャがたくさんの人に食べてもらえるととってもうれしいと思います」
25日は学校では県や市、農業振興公社の担当者などを招き、試食会が開かれました。
県立西彼農業高校・市丸智基校長:
「おいしいですね。普段食べるバウムクーヘンはどちらかと言えば洋菓子のケーキに近いニュアンスなんですけどどちらかと言えば和風テーストの雰囲気が斬新かなと。カボチャの味がはっきり風味が口の中に入れてひとかみすると感じます」
バウムクーヘンは、市の観光名所、西海橋が架かる針尾瀬戸の「渦潮」をイメージしています。
県教育庁高校教育課高校魅力班・田中利治指導主事:
「地域の活性化というか自分たちも学びにつながっていますし商品で販売すると地域にも帰ってくるし社会の問題も解決するしというところでWin-Win-Winの商品で高校生の力を感じたところです」
市農業振興公社・高木禎一朗理事長:
「今後商品化に向けて色んな企業とタイアップしながら私たちもバックアップしたいと考えています」
西彼農業高校食品加工部・稲田美海さん(3年):
「作っている中で失敗作もたくさん食べてきましたが完成した商品と今までの試食品を比べたら本当に全く違うもので私も感動的な味がしました」
食品加工部前田紀乃部長(3年):
「SDGsは自分たちが住み続けるために必要な取り組みだと思っているのでこの食品ロスだったりそういうのを少なくして貢献できたらなと思っています」
食品加工部はこの取り組みを去年11月に兵庫県で開催され、「第3回高校生食のSDGsアクションプラングランプリ」で発表。全国32校の中から3位相当に当たる「審査員特別賞」を受賞しました。
西彼農業高校食品加工部・稲田美海さん(3年):
「農業高校でたくさんの新しい経験ができて本当に良かった。大学に進学しても新しいことにどんどんチャレンジして自分の可能性を広げていきたい」
学校や農業振興公社は西海市の新たなお菓子として生産・販売を引き受ける企業を募集しているということです。