人が住む地域でのドローンの目視外飛行「レベル4」の実証実験が九州で初めて五島市で行われました。
実証実験は、愛知県の総合商社「豊田通商」や、五島市で医薬品などのドローン配送を行う「そらいいな」、長崎大学などが共同で実施しました。
県は去年6月、ドローンによる有人地帯の目視外飛行=レベル4飛行の規制が緩和された「国家戦略特区」、「新技術実装連携“絆”特区」に福島県と共に全国で初めて指定されました。
実証実験では、玉之浦診療所から約3キロ離れた患者の自宅までのルートをプログラミングしたドローンが、目視できない有人地帯の上空を飛んで処方薬を届けます。この「レベル4飛行」による配送は、九州で初めてです。
五島市では、通院が困難な高齢の患者の診療のため、看護師が医療機器を搭載した車で出向き、テレビ電話を使って診療所の医師がオンライン診療をするモバイルクリニックを2023年に導入しています。しかし、患者に処方薬を渡すのは翌日となっていました。ドローンによる配送が実現すれば、その日のうちに処方薬を届けることができます。
診療所を離陸したドローンは、約10分後に患者の家に到着し、無事、薬を届けました。
大山富雄さん(78):
「これはいいことですね。早くですね、常に出来るような状態になってほしいですね」
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科長・川上純さん:
「長崎県は様々な僻地を抱えておりますので、そういう所でこのようなことが実証され、現実に落とし込まれていきますと、地域医療というものが非常に私たち医療関係者、並びに患者さん共にWin-Winの関係になると思います」
豊田通商は2025年度以降に社会実装を目指すとしています。