プロの車いすバスケットボール選手で、東京パラリンピック銀メダリストの大崎高校出身・鳥海連志選手(25)が長崎市の高校で講演会や車いすバスケの体験会を行いました。
長崎商業高校にやって来たのは、2021年の東京パラリンピック男子車いすバスケットボールで銀メダルに輝き、MVPを受賞した鳥海連志選手25歳。去年からプロ選手として活動し、今シーズンは韓国リーグでプレーしました。
鳥海連志選手:
「パラリンピックのコート上に僕がいないというのはあり得ない。僕の舞台のはずなのに何で俺いないんだというのがあったので、今はロスに向けて毎日筋肉痛になりながらも練習に励んでます」
講演会は、鳥海選手のスポンサーでもある味の素が主催し、長崎商業の生徒約720人が参加しました。
鳥海選手は、車いすバスケを始めたきっかけや今年のパリパラリンピック出場を逃した悔しさのほか、障害について伝えました。
鳥海選手:
「僕たちの中で障害をどうとらえているかというと、髪色、目の色、肌の色と一緒、一つの自分の個性にとらえています。一緒に暮らす街なので、そういう人たちを助けてくれたら僕もうれしいなと」
また、パリパラリンピックで日本選手団に帯同し、栄養指導を行った味の素「ビクトリープロジェクト」の蘆名真平さんと一緒にスポーツ選手の食事や栄養について話しました。
蘆名真平さん:
「ポイントは『何を食べるか』ではなく『何のために食べるか』を考える、考えてますか?」
鳥海選手:
「よく言われます。味はここまでだろうってよく言われます。その下に行くとお前に必要な栄養がいっぱい入っている。だからここだけ我慢すればいいんだよって」
目的を達成するには、練習、休養、栄養のバランスが大事で、食事以外にも、炭水化物のおにぎりやアミノ酸のゼリーなどエネルギーの回復をサポートする補食の必要性などを説明しました。高校生からの質問コーナーでは…。
高校生:
「どうしたらそういうスタイルが良くなるのか教えてください」
鳥海選手:
「お菓子系はそんなに食べないですね、あとジュースは絶対飲まないですね。自分が食べるもののカロリーとか、何が入っているかを見ますね。スタイル良くなると思うので頑張りましょう。食事ないし自分の体のコンディションに興味を持つ、気付きを持つっていうことをしてくれたらうれしい」
長崎商業高校には、鳥海選手の妹・芭奈さんが在籍しています。メダリストの兄の話を聞いた妹は…。
鳥海芭奈さん:
「頑張っているのは知ってたけど、挫折とか心境とかは10歳違うので全然聞いたりもしなかったので、きょう初めて聞いてそう色々思いがあったんだなと思いました」
講演後には、スポーツビジネスコースの1、2年生約70人が車いすバスケを体験しました。
女子ソフトボール部2年・中村柚葉選手:
「普通にこうやってしたら入りました。思うように動かなくて難しかったけど、楽しかったです」
女子ソフトボール部2年・神﨑月望選手:
「すごかったです。プレーしてる姿とかがかっこよかったです」
陸上部2年・野原優真選手:
「入ってくる時からすごくオーラみたいなのが出て、高総体もラスト1回の1年なので、そこを意識して、ベストコンディションに持っていけるような食生活を送りたいです」
鳥海連志選手:
「長崎で車いすバスケットをするっていうのは、僕にとっては大きな意味があるなと思いました。また一から自分自身、そして日本のバスケットボールシーンにしっかり向き合って、ロスではしっかりと出場することメダルを取ることを皆さんにお見せ出来たらいいなと思っています」
鳥海選手は、来年、海外リーグに挑戦し、2028年のロスパラリンピック出場を目指します。