4人が立ち、事実上、自民と立憲の前職同士の一騎打ちの様相となった長崎2区。きのう夜11時過ぎのことでした。自民党の加藤竜祥さん(44)の事務所内は歓喜に沸きました。
裏金問題で、比例復活の道が断たれ、『背水の陣』で挑んだ選挙。選挙期間中、頭を下げ続け、立憲の山田勝彦さん(45)に1万4千票以上の差を付け、激戦を制しました。
自民・前 加藤竜祥さん(44):
「まずはしっかりとこの(政治とカネの)問題に向き合うこと直視をすることが自民党全体に求められております。故郷の振興・発展をしっかりやって、地方創生の光が輝くようにしっかりとこれからも精進をしていく決意でございます」
公明党や各種業界団体のほか、地元市長らの支援も得た加藤さん。旧2区選出の元衆院議員の父・寛治さん(78)から引き継いだ後援会組織が固めるお膝元、島原半島3市では、山田さんに倍以上の差をつけたほか、大票田の諫早市も794票差で制しました。そして、勝負のポイントとしていた山田さんの地元・大村市。票の切り崩しのため、地元の県議や市議が支持拡大に奔走し、ほぼ互角の票を得ました。
陣営関係者は、比例への重複立候補が認められなかったことや、選挙戦終盤にかけ、山田さんとの接戦が報じられたことで、組織的な結束が強まり、勝利を引き寄せたといいます。
自民・前 加藤竜祥さん(44):
「変えていかなければいけないという思いの中で、しっかりと新しい自民党を若手がしっかりとつくっていくというメッセージを常々、訴えさせていただきました。正直あの件(安倍派から還付された10万円不記載)は知らなかった。それは事実です。でも1期生とかベテランとか立場とか関係ない。自民党全体の話なので」
一方、立憲民主党の山田勝彦さん(45)。4月には、裏金問題による谷川弥一氏(83)の議員辞職に伴う旧長崎3区の補選で再選、今回も「裏金議員の一掃」を訴えましたが、及びませんでした。山田さんは「島原半島の結果が厳しかった」と話しました。
立憲・前 山田勝彦さん(45):
「なかなかね。壁は厚かったね。でも言ってきたことは間違ってないと思うし、この戦いは絶対に意味があったし」
裏金問題を追い風にする一方、新たな区割りとなった2区での有権者数の7割が加藤さんが地盤としてきた旧2区に固まっていました。「新人候補同然だった」という今回の選挙。選挙区で勝利を逃したものの、比例九州ブロックでの復活当選となりました。
立憲・前 山田勝彦氏(45):
「結果としては、本当に悔しい悔しい結果であったことは間違いない。自民党も公明党も強行した改正政治資金規正法では全く国民の理解が得られない改めて国会に戻って本当の意味での政治改革を進めなければならない」
維新や参政の新人2人も加わり、自民党以外の選択肢が広がったことで票は分散。投票率が低かったことで、戦況は組織票を固めた加藤さんに大きく傾き、「6割以上だったら、勝っていた」と悔しさをにじませました。
立憲・前 山田勝彦氏(45):
「企業や業界団体にばかり補助金が付くのではなくて金権政治ではなくて、お一人おひとりの生活者にまっすぐ国の予算が届く真っ当な政治を実現していきたい。一言で表すなら…『もう変えんば』ですね」