衆院選が公示されました。
区割りが変更し初めての総選挙。前職4人、元職1人、新人7人の合わせて12人が立候補し、12日間の選挙戦がスタートしました。
小選挙区の「10増10減」により、県内の選挙区の数は4つから3つに減りました。
長崎市が選挙区の長崎1区。島原市や諫早市などに大村・壱岐・対馬が加わった長崎2区。県北に五島市と東彼3町等が加わった長崎3区です。立候補の届け出は午前8時半から始まり、各陣営の担当者がくじで届け出順を決めました。
長崎1区に立候補したのは届け出順に日本維新の会の新人・山田博司さん(54)、共産党の新人・内田隆英さん(68)、参政党の新人・黒石隆太さん(33)、自民党の新人・下条博文さん(49)、国民民主党の前職で3期目を目指す西岡秀子さん(60)の5人です。
元県議会議員の山田博司さん。日本維新の会の県組織を立ち上げ、県内の党員を1100人まで増やしました。
日本維新の会・新人 山田博司候補(54):
「政治と金の問題、こういった問題をしっかりと解決いたしまして有権者のための、納税者のための政治をつくっていきたい。日本維新の会という政党は企業や団体の献金を受け取らない、また政治と金のしっかりとした改革を行っているわけでございます」
元長崎市議会議員の内田隆英さん。県内の選挙区で唯一の共産党候補です。今回の解散総選挙を国民の生活を置き去りにした党利党略の選挙と批判します。
共産党・新人 内田隆英候補(68):
「若者や高齢者が安心して暮らせる、そうした政治の流れこそ今、求められているのではないでしょうか。私はこうした子どもたちを大切にする政治、高齢者を大切にする政治こそ今、必要だと思っています」
参政党の新人・黒石隆太さん。若さを武器に現役世代の声を国政に届けたいと訴えます。
参政党・新人 黒石隆太候補(33):
「減税一択、そして積極財政一択、国民にまずお金を回してくださいと、そしてお金が回るからこそ私たちの使えるお金が増えるからこそ経済が良くなります。そして政治はつながってますから経済が良くなって政府が前向きにやってくれるんだという姿が見えたら私たち現役世代もじゃあもう1人子どもつくろうかな、家買ってみようかな、車買ってみようかなと新たな挑戦ができるんです」
自民党・新人 下条博文候補(49):
「昨年末から皆様に大変お叱りを、お騒がせをいたしました政治資金の問題について本当に申し訳ありませんでした」
自民党の下条博文さんの第一声はまず党の派閥裏金問題への謝罪から始まりました。県議会議員の経験を生かし、党の再生、長崎の再生が最大の公約と訴えます。目指すは1区での与党の議席奪還です。
自民党・新人 下条博文候補(49):
「国政に自民党に新しい風、新風を巻き起こし政治改革の先頭に立って行っていくことをお約束します」
国民民主党の前職・西岡秀子さんの出陣式には、支援する労働団体の関係者など300人が集まりました。2期7年の実績や政治に信頼を取り戻したいと訴えます。
国民民主党・前職 西岡秀子候補(60):
「国政にお伝えをしたい、私が今取り組んでいる途上の課題、多くございます。引き続き3期目、長崎市民の皆様の付託を頂いて、国会で働かせていただきたいその思いでいっぱいでございます」
諫早市や大村市に加え、島原半島や離島の9市町が選挙区となる長崎2区に立候補したのは届け出順に自民党の前職加藤竜祥さん(44)、立憲民主党の前職山田勝彦さん(45)、参政党の新人高木聡子さん(43)、日本維新の会の新人横田朋大さん(37)の4人です。
自民党の前職、加藤竜祥さん(44)。政治資金収支報告書への10万円の不記載で今年1月、国土交通政務官を辞任、今回、比例復活の道は断たれました。
地元・島原半島の強固な支持基盤を軸に、公明党のほか、票田となる諫早・大村の市長らの支援も得て、組織票の取り込みを図ります。
自民党・前職 加藤竜祥候補(44):
「心新たに故郷発展のために汗を流したい、精進したい」
「これからもしっかりと伝統文化を守る、農林水産業の発展をはじめ、各種基幹産業の振興・発展をさせ、地域創生の光を輝かさなければいけない」
立憲民主党の前職、山田勝彦さん(45)。今年4月、裏金事件で有罪となった自民党議員(当時)の辞職に伴う補欠選挙で当選したばかりです。
裏金問題を追い風にする一方、今回、有権者数の割合では約7割が加藤さんが地盤としていた旧2区。労働団体や国民民主党などの支援を得て、浸透を図るため農家の戸別所得補償制度の復活などを訴えます。
立憲民主党・前職 山田勝彦候補(45):
「政権交代こそ最大の政治改革ではないでしょうか」
「いまの金権政治ではなく、国民の、諫早の皆様の声で動く真っ当な政治へもう変えんば」
参政党の新人、髙木聡子さん(43)は19年間、小学校教諭として勤務。現在は大村市で不登校の子どもたちが通うフリースクールを運営しています。
学校での働き方改革のほか、党の政策として、若者の政治参加を促すため、16歳以上への選挙権付与や食料自給率の倍増を訴えています。
参政党・新人 髙木聡子候補(43):
「子どもに好きなことをさせたり、自分もしたり、自分たちの家族のためにしたり色んなことが出来るはずなのにそれが出来る状況にない私たちはもう声を上げなければなりません。積極財政と減税をしっかりやっていきたいと思っております」
「歴史観を見直すこと私たちの日本がとても素晴らしいんだということを教育でやっていく」
日本維新の会の新人、横田朋大さん(37)。父方の祖父は諫早市出身、党職員として、4月の旧3区補欠選挙では、維新候補の陣営で事務局長を務めました。
旧文通費の使途公開など進めてきた党の改革姿勢をアピールします。
日本維新の会・新人 横田朋大候補(37):
「旧文通費の問題。自民党はもちろんそうですが、立憲民主党もやるべきだと言っています。しかし、やるべきだと言っている立憲民主党もいまだに公開をしておりません」
「有言実行。約束を守る。そういう政治を再びこの日本に取り戻したい」
県北地域と五島・上五島の5市6町で争う長崎3区には届け出順に日本維新の会の新人、井上翔一朗さん(41)。自民党の前職、金子容三さん(41)。立憲民主党の元職、末次精一さん(61)の3人が立候補しました。
日本維新の会の新人で、平戸市で学習塾を経営する井上翔一朗さん(41)。4月の旧3区の補選に出馬し、今年2度目の国政挑戦です。佐世保市の早岐駅前で第一声を挙げ、自公連立の政権与党が経済の停滞を招いたと批判しました。
また立憲民主党に対しては、与党を野放しにしてきた責任と、政治改革の実行力不足を指摘しました。自身を「令和の西郷隆盛」に例え、政治改革を訴えます。
日本維新の会・新人 井上翔一朗候補(41):
「西郷隆盛が成し遂げたのは、明治維新ですけれども私が成し遂げるのは令和の維新です。”令和の西郷隆盛”後から皆さんに言っていただけるようにしっかりと政治家として頑張っていきたいと思います。皆さんの現状、有権者目線、納税者目線の感覚をしっかりと国政に持ち込んでいく。一生懸命頑張っていきたいと思います」
自民党・前職の金子容三さん(41)は、区割りの変更で今回から自身の選挙区となった東彼杵町で第一声を上げました。
去年10月の旧4区補選で初当選。この1年で選挙区内の自治協議会単位で後援会組織を立ち上げるなど選挙態勢を強化しました。出陣式には、東彼杵町の岡田町長や、推薦を受ける公明党の県議ら約100人が集まりました。
訴えるのは、政治資金の透明化による政治への信頼回復、県北・五島の地域振興です。
自民党・前職 金子容三候補(41):
「誰が政治改革を断行できるか。そして、東彼杵町を含め長崎県北、地元のために誰が貢献できるか。私は若いです。実行力、行動力、情熱があります。必ず皆様方のために働いてまいります。皆様方のお役に立ちます。その自信もあります」
立憲民主党の元職・末次精一さん(61)。政治生活29年、衆参合わせ、国政選挙への出馬は8度目です。佐世保市の中心部で開いた出陣式には、支援する国民民主党や社民党の県議のほか、労働団体の関係者など約100人が集まりました。
政治生活の長くは浪人生活。約7000票差で敗れた旧4区補選の雪辱を果たすため、今回の選挙を「最終決戦」と位置づけ、利権政治の打破を訴えます。
立憲民主党・元職 末次精一候補(61):
「今回は私にとって正念場でもあり、佐世保・県北・長崎の政治を変える選択の時であると、大転換期でもあると思っています。暮らしの生活者の代表として私は先頭に立って戦ってまいります」
政治と金の問題や石破新政権への審判などを争点とした12日間の選挙戦。投票は一部の地域を除き27日(日)で、あすからは期日前投票も始まります。