衆議院がきのう解散され、事実上の選挙戦に突入しました。争点となる「裏金問題」の震源地の一つとなった県内。短期決戦に向け、各党の動きが活発化しています。
一票の格差を是正する「10増10減」の区割り変更に伴い、県内の小選挙区の数はこれまでの4から3に減り、選挙区を構成する市や町の組み合わせが変わります。
注目は、大票田の諫早市や大村市のほか、離島も抱える新2区。与野党の前職2人に、新人2人の合わせて4人が争う見込みです。
立憲民主党の前職山田勝彦氏(45)は、10日早朝、諫早市内の交差点で辻立ちを行い、通勤・通学中の市民に挨拶をしていました。
山田氏は4月、自民党裏金事件をめぐる谷川弥一氏の議員辞職に伴う旧3区の補欠選挙で当選したばかり。今年2度目の国政選挙です。自民党の前職が選挙区としてきた諫早市に乗り込み、「政権交代」を訴えます。
立憲民主党・前職 山田勝彦氏(45):
「裏金議員の皆さんが選挙で勝てば追加公認するという話。早くみそぎを済ませたいということ。これは選挙でしか変えられない。裏金議員を一掃して腐敗した今の金権政治を大掃除するような選挙にしなければ、本当の意味で国民の皆さまのもとにこの国の政治を取り戻していけない」
山田氏はこのあと支持を広げるため、諫早市内の企業を回りました。
山田氏が辻立ちを終えた頃、約600メートル先で、自民党の前職・加藤竜祥氏(44)の選挙事務所の開設式に人が集まり始めていました。
自民党の国会議員や県議のほか、選挙区内の市長や町長、公明党の関係者らおよそ300人が出席しました。
加藤氏自身、裏金問題に揺れた1人。安倍派から受け取った10万円を政治資金収支報告書に記載していなかったとして今年1月に国土交通政務官を辞任。今回の衆院選、比例での重複立候補は認められませんでした。
自民党・前職 加藤竜祥氏(44):
「私の不徳の致すところで政務官を辞任しましたが、私にとっては大変貴重な経験でございました。これからも故郷発展のために引き続き心新たにして汗をかきたい、精進をしたいという強い思いでございます」
加藤氏はこのあと立憲・山田氏の地盤、大村市内の企業を訪問して回りました。
日本維新の会の新人で、元党職員の横田朋大氏(37)の出馬会見には、馬場伸幸代表が駆け付けました。
横田氏の父方の祖父は諫早市出身。4月の旧3区補選では、維新の新人候補の陣営で事務局長を務めました。
横田氏は、旧文通費の使途公開や独自で政治資金改革を進めてきた党の姿勢をアピールし、票の上積みを狙います。
維新・新人 横田朋大氏(37):
「自民党が起こした裏金問題は確かに大きな問題です。しかしもっと大事なことは旧文通費の使途公開であります。主要政党の自民党、公明党、そして野党第一党の立憲民主党は使途を公開しておりません。何に使っているのかわからない状態です。そういったところから改革をしていく必要がある」
もう1人の新人、参政党の高木聡子氏(42)は大村駅前で街頭演説を行いました。
大村市在住の高木氏は、19年間、小学校教諭として学校に勤務。退職後の去年3月には不登校で苦しむ息子や子どもたちが、安心して過ごせる居場所をつくろうと市内にフリースクールを開設しました。学校現場の働く環境の改善などを訴え、去年7月にいち早く出馬を表明しました。
参政党・新人 高木聡子氏(42):
「学力がなくてもいいんだよって。得意なことを伸ばせばいいんだよって子どもに寄り添える教育が必要なのではないでしょうか。どの子も笑顔で過ごせるようにフリースクールをたくさんつくり、子どもたちの居場所をつくり、学校と連携し、みんなで子どもを育てる社会をつくっていかなければなりません」
衆院選は来週15日(火)公示、27日(日)投開票です。