65歳未満で発症する若年性認知症への理解を深めることを目的としたフォーラムが県庁で開かれ、当事者の男性が自身の体験を語りました。
今年で8回目となる若年性認知症フォーラムは当事者や家族を支援する「認知症の人と家族の会長崎県支部」と県の共催で行われ、オンラインも含めて約170人が参加しました。
若年性認知症の人は全国に約3万6000人いると推計されています。中には働き盛りの人もいて、周囲の理解が得られにくく、仕事を辞めてしまうと、ローンの支払いなど経済的に苦しくなるといった問題があります。
当事者として登壇した松浦市の金井田正秋さんは現在69歳、15年前、54歳の時にアルツハイマー型認知症と診断されました。
54歳で若年性認知症・金井田正秋さん(69):
「相手から名前を言ってもらえれば、ほとんどわかるんですけど、顔を見ただけでは思い出せない・・・」
診断を受けたのは、車で反対車線を逆走したことがきっかけだったといいます。
金井田正秋さん(69):
「皆さんと交流を始めたら、認知症を忘れてしまった。今は堂々と公表しています。行動・心理症状(抑うつや攻撃的言動など)はほとんどありません」
金井田さんは、自身の体験を語る認知症本人大使「ながさきけん希望大使」として、各地で講演活動を続けていて、症状の進行を遅らせるには、社会とのつながりが大切だと伝えました。
金井田正秋さん(69):
「認知症について理解してほしい。一人ひとり病状が違いますから、患者本人に対して皆さんが理解してほしい」
「認知症の人と家族の会長崎支部」では電話での相談に乗るほか、毎月、当事者やその家族が参加するつどいを開いていて、「気軽に参加してほしい」と呼びかけています。