「犬を飼っている高齢者は認知症を発症するリスクが40%低い」という調査結果がこのほど発表されました。
地方独立行政法人「東京都健康長寿医療センター」の研究チームが10月、研究論文を科学誌に発表しました。ペットの飼育と認知症の発症の関連性を明らかにした発表は初めてとしています。
それによりますと犬を飼っている高齢者は、飼っていない高齢者と比べ、認知症を発症するリスクが40%低いことが分かりました。また犬を飼っている高齢者のうち、犬の散歩などの運動習慣のある人や、散歩中、人と触れ合うなど社会的に孤立していない人の方が認知症の発症リスクが低い傾向にあることも分かりました。
一方、「猫を飼っている高齢者と飼っていない高齢者の間には、意味のある認知症発症リスクの差はみられなかった」としています。
「日常的に犬を世話することによる飼育者の身体活動や社会参加の維持が、飼育者自身の認知症の発症リスクを低下させていると考えられる」としています。
調査は東京都の65歳以上の男女1万1194人を対象に、2016年から20年までのデータを分析したもので、研究対象者の平均年齢は74.2歳でした。