県内最大の美術作品の公募展「県展」が県美術館で開幕しました。69回目の「県展」には、「洋画」「彫刻」「写真」など7つの部門に1303作品の応募があり、入選・入賞した767点が展示されています。各部門の最優秀作「県知事賞」から選ばれる最高賞「西望平和賞」には、長崎市出身で現在、佐賀大学の4年生足達由佳さん(22)の彫刻「葛藤」が選ばれました。3回目の出展となった足達さん。今回、構想期間を含めて、制作期間約1年の力作で最高賞を受賞しました。
足達由佳さん:「まだ信じられない気持ちが大きいです。大学3年・4年生を過ごしてきて、自分も含めて周りの進級や進学や就職などの悩みを表現しました」
足達さんの作品は「難しい座りポーズに意欲的に取り組み、作品の完成度も高い。屋外のブロンズ像を意識した着色には雨風にさらされたような風格があり、自然の営みと時間の経過が感じられる」と評価されました。
洋画部門で、40歳未満の入選者を対象にした「野口彌太郎賞」は、佐世保東翔高校3年の野宮よし乃さん(17)の「葉洩れ日」が受賞しました。山登りに友人と訪れた烏帽子岳の風景を約5カ月かけて描きました。
佐世保東翔高校3年・野宮よし乃さん(17):「木と木の重なりが難しかったです。奥行きがあるところは青っぽくしていて、手前は緑で鮮やかにしているところを見てほしい」
野宮さんの作品は、「雑木林の木洩れ陽が奥行き深く繊細に描いてあり、作者の強い感受性が感じられる」と評価されました。県展は県美術館で今月29日(日)まで。佐世保市と諫早市でも来月巡回展が開かれ、11月から五島市と大村市で移動展が開かれます。