県のIR誘致に終止符です。国が不認定としたハウステンボスへのカジノを含む統合型リゾート「IR」の整備計画について県は国に不服を申し立てる「行政不服審査請求」を見送ると明かしました。再申請も「ハードルが高い」としています。
早稲田智仁企画部長:
「様々な観点から総合的に判断した結果、行政不服審査法に基づく審査請求及び、行政事件訴訟法に基づく処分の取り消しの訴えについては行わないこととした」
県はハウステンボスへのIR誘致を目指し、国に整備計画を提出しましたが、審査する有識者委員会は「確実な資金調達を裏付ける根拠が十分でない」などと判断し、国は去年12月、計画を不認定としました。
県は「行政不服審査請求」を「一つの選択肢」としていましたが、大石知事は2月の県議会一般質問で「ハードルは高い」と述べ、慎重な姿勢を示していました。
行政不服審査請求の見送りについて県IR推進課は3つの理由を挙げました。
県IR推進課・小宮健志課長:
「ハウステンボスの売買予約契約が12月27日をもって失効しているという点。
それから『KYUSHUリゾーツジャパン(IR事業者)』が集めてきたコミットメントレター(融資に関する意向表明書)の一部が失効している懸念があるということが2つ目。
IR事業者そのもの、KYUSHUリゾーツジャパンの大屋社長が先般の参考人招致でも『審査請求を行う考えは無い』ということを県にも伝えられた。
この3点をもって総合的に考えると、行政不服審査をしたとしても却下される可能性が非常に高い」
また再申請については、「多大なコストや労力、時間がかかること」や、「審査委員会の裁量が大きいこと」などから、「現行の制度では、地方へのIR誘致に再チャレンジするのは相当程度ハードルが高い」との見解を示しました。
県議からは…。
小林克敏県議:
「どこに自分たちの一番の失敗があったのか、何が一番足りなかったのか、もう少し我々に分かるような発言が他にないのか?」
県IR推進課・小宮健志課長:
「1点目が資金調達の確実性に関すること。もう1点がIR事業の適切かつ継続的な実施について指摘がある。国との対応、ヒアリング等を含めて、そこの認識の差を埋めることができなかったと、その結果が今回の不認定結果につながったという認識」
県は今後、県北の振興について、ハウステンボスを基軸とした観光振興や、歴史や文化などの地域資源を生かし、振興を図ることで県全体の発展につなげたいとしています。