長崎市浜町で半世紀以上にわたって市民の暮らしを支え、愛され続けたスーパー「S東美」が、入居するビルの老朽化に伴い、昨夜、58年の歴史に幕を下ろし、閉店しました。
営業最終日の2月29日、地下1階の食料品売り場は、閉店を惜しむ人で終日にぎわい、ほとんどの商品が棚からなくなっていました。
佐々木達也社長ら社員が、お客さんを一人ひとり見送り、迎えた閉店時刻の午後7時。店の外は感謝の気持ちで見届けようと大勢の人であふれかえっていました。
1966年に開店し、長崎市の中心部・浜町の「顔」であり続けたS東美。入居するビル「長崎松竹会館」が老朽化し、解体されることに伴い、閉店となりました。
女性(48):
「下に食堂があって、学生は生徒手帳を見せると安く食べられたので、お腹いっぱいだけど安く食べられたという思い出がある。悲しいですね、中心部にありますから存在感が強かったので。建て直しすると報道されているので、きれいに建て直して、またS東美さんに入っていただいて買い物に行きたい」
取引先企業の社員:
「S東美さんで商品を売っていただいていたので、感謝の気持ちを込めて横断幕を作らせていただいた。浜町の象徴的なお店でもあったので非常に寂しい」
佐々木達也社長(67):
「商人としてこんなに幸せな瞬間はないなって。お店は閉めるんですけどね。お客様には本当にありがたい感謝の気持ちしかないですので、またぜひお会いしたいなと思っております。たくさんのお客さんが実は朝からお泣きになられたんですよ。もう感激です。本当にありがたいことだなと思っています」
街の活気を生み出し、市民の暮らしを支え続けてきたS東美。市民が愛した思い出の場所は58年の歴史に幕を閉じました。