自民党安倍派の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、衆議院は長崎3区の谷川弥一氏(82)の辞職を許可しました。約40年にわたり長崎県政に君臨した谷川氏。ついにバッジを外しました。
谷川弥一氏(22日):
「私は力を付けたかった。長崎県が抱えた課題を処理していきたかった。それなら大臣並みの金を集めてやろうと思いました。ここが私の至らなかったところですが、金を集める力と、しっかり勉強して、堂々と論陣を張れることは政治家にとって偉くなるために必要なことだと思っていた。それ以上はお答えできません。勘違いしていました」
「大きな過ちだった。力ある人にごますった方が良かった。そんなことせんで、それが最大の悔いだ。間違ったなあ」
「相当考えて国会議員として恥じない行動をしてきたつもりです。自分では。しかし結果としてこういう無残な終わり方したというのは言いようのない自分に対する憤りがあります」
「長崎3区の星と思ってやってきたけどね。結果的には3区の恥の人間で終わるのかと残念で泣きました」
谷川氏は秘書と共謀し、おととしまでの5年間に安倍派から4355万円のキックバックを受け、政治資金収支報告書に記載しなかったとして東京地検特捜部から政治資金規正法違反の罪で19日に略式起訴され、すでに自民党を離党していました。
22日に額賀衆院議長宛てに議員辞職願を提出し、きょう付で許可されました。
五島市出身の谷川氏、県議会議長などを務め、2003年の衆院選で初当選。7期目の途中でした。
東京地検の立件を受け開いた22日の会見では長崎の課題解決のために大臣を目指し資金集めに奔走。大臣になれなかったことの無念さも語りました。
谷川氏:
「まぁ、大臣になれなかったんだからね。(派閥に)大事にされてないんだよ、あんまり」
一方で派閥に話が及ぶと口をふさぎました。
谷川氏:
(Q.派閥の幹部は立件されなかったが?)
「思いはありますけど言いません。長崎のためにはならんことは一切言うつもりはありません」
(Q.それを言うと長崎のためにならない?)
「ならない、それは答えません。あなたが勝手に判断してください。派閥のことには一切言いません。私が悪いんです」
自民党県連は谷川氏が一連の問題の責任をとり15日に会長を辞職したことを受けて新しい会長に古賀友一郎参院議員(56)を内定しました。28日に開く常任総務会で正式決定する見込みです。
また3月10日(日)に開催予定だった県連主催の政治資金パーティーの中止も決定しました。パーティーは当初、去年12月17日に開く予定でしたが、一連の問題を受け3月に延期していました。
中止の理由について前田哲也幹事長は「党本部の政治刷新本部の議論の中で政治資金パーティーの禁止を議論していることなど総合的に判断した結果」としています。
谷川氏の辞職に伴い、長崎3区では4月28日に補欠選挙が行われます。立憲民主党は山田勝彦衆院議員(44)の擁立を決めていますが、自民党内では候補者擁立が難航しています。