NCCと長崎県の協働企画「未来へのエール」。今回は「いろんな生き方、未来を描いて実現しよう」です。高校生が子育てや結婚について考える探究学習を取材しました。
小さな子どもたちと向き合うのは長崎南山高校の生徒たち。これは授業の一貫です。その目的は?
長崎南山高校では、2019年度から全ての学年で探究学習としてキャリア教育に力を入れています。目先の進学や就職に関することだけでなく、長い目で将来を考えてもらおうと結婚や子育てなどライフデザインについても取り上げています。
長崎南山高校・徳田憲一郎教諭(36):
「家族を持ったり仕事をしている自分を想像して『こうありたい、こういう生活がしたい』というのを自分たちの考えを話してほしい」
若い世代に結婚や子育てに前向きなイメージを持ってもらおうと、様々な事業に取り組む県こども未来課と協力し、去年12月、ライフデザインを考えるワークショップを行いました。
県こども未来課少子化対策班・髙尾研司朗主任主事:
「子どもを育てたり、家庭を持つというのは、人生を豊かにする中では重要だと私は感じているので、家庭を持つ・持たないという選択はその後の人生を大きく左右する計画。ライフデザインを考えて色々とそれを実現させるために動いていくことで、完全ではないが、タイミングを理想に近づけることは可能。それがライフデザインを考える意義でもある」
1年から3年の生徒7人は、県の職員からライフデザインの大切さを学び、結婚観や子育てについて考えました。
2年・戸髙佑紀さん:
「結婚についてあまり乗り気ではなかったが、興味深いなというのはあった。具体的には決まってないが、30歳を越えるまでにはしたい」
それでもまだ高校生。結婚や子育てへの具体的なイメージはなかなか浮かんできません。
そこで、高校近くの山里地区・地域子育て支援センター「あいあい」へ足を運ぶことに。「あいあい」は0歳から3歳の未就学児の子どもを持つ親子が集います。
「あいあい」の職員:
「子育ての不安を解消して、『子育てって楽しい』と思ってもらえるそういう場所。きょうは直に色んな方に話を聞いて(子育ての)良さを体感してください」
探り探りで子どもたちと接する生徒たち。
1年・田籠溜貴さん:
「どういう接し方をすればいいのかというのは難しい」
それでも、そのかわいさに引かれていきます。
3年・小山真嗣さん:
「かわいすぎる。普段こんな経験できないので貴重な経験ができてうれしい」
子育てに励む母親たちの生の声も聞きました。
母親:
「(子育てをしてうれしいことは)日々の成長。夫のサポートは家事もそうだがかなりしてもらう」
母親:
「力を使う遊びとかを覚えて、ママじゃできない遊びを教えてあげてほしい」
母親:
「大変なことは多いが、成長を見られた時とか自分を頼ってくれる時とかは『やっぱりかわいいな』と。それが子育ての醍醐味」
ワークショップを通して結婚や子育てにポジティブな感情が少し芽生えたようです。
2年・酒井颯翔さん:
「何時間かしか寝られないというのはあると思うので、自分が子どもをつくった時は、相手と一緒に協力できたらいいなと思う」
3年・武田悠希さん:
「(子育ては)大変だというイメージしかなかったが、実際に子どもたちと触れ合う中で『大変』ということよりも、『かわいい』とか『子どもの成長がうれしい』そっちの方が上回っている気がする。将来結婚して子どもを持ちたい」
3年・岩永尚悟さん:
「最初(授業を)受ける前は『将来のこととか全然分かんないよ』と思っていたが、授業の中でデータとかグラフとか出してもらい、『将来こういう人間であろう』とか考えるきっかけになったので良かった」
徳田憲一郎教諭(36):
「探究学習を通して『こういったことを将来やってみたい』とか徐々に出てきている。探究学習が最終的なキャリアにつながってきていると思う」