佐世保市で当時9歳の男の子が学校でいじめを受け、転校を余儀なくされたのは学校が適切な対応を取らなかったからだとして両親が市に300万円余りの損害賠償を求め、長崎地裁に提訴しました。
訴状によりますと、佐世保市立小学校の特別支援学級に通っていた当時9歳の男の子は、2021年4月ごろからクラスメートに「死ね」「殺すぞ」などの暴言や、足を踏まれる、ぶつかるなどの暴力を受けていました。またアルコールスプレーを目に吹きかけられたり、長さ1mの定規で指を叩かれ、爪の内側から出血するけがをしたりしました。
男児はその年7月ごろから不登校になり、9月に通学を再開しましたが、担任やクラスメートに対する恐怖感で、再び登校できなくなりました。10月には「解離性障害」と診断され、11月に別の小学校に転校。去年10月、佐世保市教委はいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」に認定しました。
両親は市を相手取り、慰謝料など総額300万円余りの損害賠償を求め、22日付で長崎地裁に提訴しました。
市教委は「訴状が届いていないが、これから対応する予定」とコメントしています。