長崎空港発着で富士山と日の出を見に行く遊覧ツアーの実証実験が10日初めて行われました。こんな富士山、滅多に見られません。皆さん大満足の空の旅をNCCがテレビ単独取材です。
10日午前3時半、あたりはまだ真っ暗ですが、長崎空港のエントランスには続々と人が集まってきました。目的は…?
参加者:
「朝日ですね。富士山のね。もう2回行ったことがあるんですけど」
参加者:(Q.一番楽しみにしていることは?)
「やっぱり富士山」
日本航空と阪急交通社、長崎空港などが協力して実施したのは、富士山と日の出を同時に見ることができる小型飛行機をチャーターした周遊ツアー。県が推進する長崎空港の24時間化に向け、現在、午前7時から午後10時までの運用時間以外の時間にどれくらい需要があるかなどを調べる実証実験です。
午前5時半、約1時間後の日の出に合わせて富士山への空の旅が始まりました。長崎から香川や大阪の上空を通り、長野の天竜川上空付近から富士山を拝む特別ルートです。
乗客は限定70人。阪急交通社が10月7日に募集を始めると、県内外から100人以上の応募があり、すぐに完売しました。料金はエコノミーが税込み2万9800円、座席が広い「クラスJ」は3万4800円。朝食の弁当やドリンク、お菓子のサービス付きです。
参加者(祖父):
「私ね足が悪いもので、(陸上の)ツアーは参加できないんですよ。このツアーであれば飛行機に乗りさえすれば、孫と一緒に時間を過ごせる。それが(今回のツアーの)メインです」
参加者(孫):「(祖父と見られて)いい思い出になります」
参加者(祖父):「スポンサーは私!」
離陸から約30分後の午前6時すぎ、窓の外は段々明るくなり、一直線に伸びる水平線が見えてきて、空は鮮やかなオレンジ色に染まり始めました。すると…。
静岡県と山梨県に跨る活火山で標高3776メートル、日本最高峰の独立峰、日本の象徴としても広く知られる「富士山」が姿を現しました。
午前6時31分、ついに待ち望んだ日の出の時間です。朝日が東の空から上り始めました。富士山の輪郭がより一層くっきりとして、壮大な自然の「美」を感じることができます。朝日のオレンジ色と富士山の影が織りなすコントラストは絶景そのものです。飛行機は富士山の手前を3周旋回し、参加者は15分にわたって、その雄大な景色を味わいました。帰路では、雪化粧をした飛騨山脈も見え、あっという間の3時間が過ぎました。
長崎市からの参加者:(Q.朝日と富士山を見ての感想は?)
「いいですね、神々しいですね」
参加者(祖父):(Q.朝日と富士山を見ての感想は?)
「小泉元首相じゃないけど、感動した!」
参加者(孫):「朝日が出る前からワクワクが止まらなくてきれいでした」
参加者:「神々しくて、清らかな気持ちになりました。とてもよかったです」
JAL長崎支店・寺尾康支店長:「本当に皆さんが喜んでいる姿を見て感激いたしましたし、この企画を実施して良かったなと思いました。これからもお客様が喜ぶいろいろな企画をしていきたいと思います」
次の開催は未定で、今回の実施結果を元に検討します。