世界三大映画祭の一つ「カンヌ国際映画祭」で今年、最優秀男優賞を受賞した諫早市出身の俳優・役所広司さん(67)に市民栄誉賞が贈られました。諫早文化会館に満面の笑みで現れたのは、今年5月、フランスで開催された第76回カンヌ国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した諫早市上町出身の俳優・役所広司さん。カンヌ国際映画祭での日本人俳優の受賞は19年ぶり2人目で、表彰式では4300人の応募の中から抽選で当選した約860人の市民らが見守る中、大久保市長から役所さんに表彰状が贈られました。
役所広司さん:「世界体操界のヒーローである内村航平さんが頂いた素晴らしい名誉ある賞をまさか自分が頂けるとは思っていませんでした。50年後、100年後、また見てもらえるような映画に参加したい、それが僕の夢です」
ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース監督(78)の日本映画「PERFECTDAYS(パーフェクト・デイズ)」は、役所さん演じる主人公のトイレ清掃員・平山が、淡々とした日々を送る中で、小さな幸せを見つけていく物語です。今回、役所さんは男優賞の副賞である賞金の受け取りを辞退し、諫早市にとある打診をしたといいます。
役所広司さん:「実際(諫早市民の)皆さんにはすごいエネルギーをもらってここまでやってこられたと思っています。(映画では)トイレの清掃員の役をしているのですが、諫早の公共トイレの掃除用具か何かに使っていただけるとうれしいなと思って」
役所さんは市立諫早中学校、県立大村工業高校を卒業後に上京し、千代田区役所に勤務。俳優の仲代達也さんが主宰する「無名塾」で舞台活動を始めました。区役所勤務に由来する「役所」という芸名は仲代さんが「俳優としての役所を広めてほしい」という思いを込めて名付けられました。候補の中にはこんな案もあったそうです。
役所広司さん:「(候補の中に)「諫早広司」というのがありました。この名前をつけたらもう一生諫早には帰られないからこれだけは勘弁してください。ということで「役所広司」という名前になりまして」
地元・諌早愛の強い役所さん、授与式後に臨んだ記者会見では諌早市民へメッセージを送りました。
役所広司さん「今回、諌早市民栄誉賞という素晴らしい賞を頂きまして、この賞に恥じないように諌早の名を汚さないようにこれからも頑張っていきます。応援してください、ありがとうございます」
午後は、長崎市のみらい長崎ココウォークの「TOHOシネマズ長崎」で「PERFECTDAYS」の先行試写会が開かれ約200人のファンが駆けつけました。試写会後、平山の妹役で共演した長崎出身の俳優・麻生祐未さん(60)と共に舞台あいさつに立ち、制作現場の裏側を語りました。今回久しぶりの共演を果たした役所さんと麻生さん。2人の共演シーンを振り返ると…?
役所広司さん:「麻生さんは相変わらず綺麗だなと(笑)」
麻生祐未さん:「私も何年も前に役所さんと共演させていただいて、今回久しぶりだったのですが今回も実際に撮影日までお会いすることがなかったのでやっと会えたというか」
2人は最後に映画の魅力を語りました。
役所広司さん:「(主人公・平山のように)日々満足をすることを知っている人の生き方は本当に豊かな人生になるとつくづく思います」
麻生祐未さん:「私はこの映画を見た時に”これは人と人とのつながり”に関するお話だなと思ってとてもいい映画ですので皆さん、何度でも見ていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします」
映画「PERFECTDAYS」は、TOHOシネマズ長崎で今月22日(金)公開です。