体重110キロ。身軽なフットワークで、日々、事件・事故を追いかけるNCC長崎文化放送の報道記者中嶋航大(31)。「満腹記者」として、おすすめのグルメ情報を街頭で聞き込み取材。今週も街の人のリアルな声をもとに長崎の「うまい」を探します。
お昼時の東彼杵町役場の近くで聞き込み開始です。お弁当を買った帰りという森縁さんが、足を止めてくれました。
森さん:
きょうは道の駅弁当です
満腹記者:
え~すごい豪華、えっ500円!これで
森さんは、「道の駅 彼杵の荘」に時々並ぶという「道の駅弁当」を楽しみにしていて、きょうは最後の1個をゲットできたそうです。
満腹記者:ところで、東彼杵町のおすすめグルメを教えてください
森さん:やっぱり「hinata食堂」さん。4月の中旬くらいに始められて、しかも『気まぐれ定食」を出されているので何が出てくるのかわからない。お母ちゃんの定食屋さんです
満腹記者がゆく!今回は、地元のグルメ情報に詳しい女性イチオシ!東彼杵町の「hinata食堂」にロックオン!
東彼杵町役場からお店までは約150メートル。前回取材した鶏白湯ラーメンの「多々樂」さんの少し奥です。
満腹記者:
ありました。お店はこちらです。hinata食堂さん、入口にかわいいてるてる坊主がつるされています
取材OKをいただき、店内へ。
東彼杵町蔵本郷の「hinata食堂」。店長の斎藤節子さん(41)は埼玉県の出身です。かねてからの夢だった田舎暮らしをするため、2022年に東彼杵町へ移住。今年3月までの3年間、地域おこし協力隊として活動し、4月に「hinata食堂」をオープンしました。
店舗は、畳屋さんだった建物をリフォームしました。しっくい塗りや掃除などを仲間が手伝ってくれたそうです。メニューは、1種類です。
斎藤さん:
気まぐれおかみの”気まぐれ定食” 1人でやっているのでたくさんメニューをこなせない。お客さんを待たせてしまうのを考えたら毎日違うメニューを出そうと。きょうも気まぐれで決めさせていただいています。
さっそく「気まぐれ定食」をいただくことに。きまぐれ定食は、1日限定20食(800円)です。
斎藤さん:
きょうは豚の生姜焼きと町内のお母さんからいただいた豆のご飯です
満腹記者:
おいしそう…じゃあ、おみそ汁から、ん~おいしいホッとする味ですね
斎藤さん:
町内で麦みそを作っている大渡商店のみそを使っています
満腹記者:
わ~、いいですね。お肉分厚めの生姜焼き。お肉柔らかい、びっくりするくらいお肉柔らかいです。そして玉ねぎも全然辛さがないですね。むしろ甘さが強い。お肉の柔らかさと何より味付け最高ですね
斎藤さんが目指しているのは、家庭料理。この日のメニュー、「豚の生姜焼き」も斎藤さんが家でも作る定番料理です。醤油に砂糖、にんにくに生姜、そして酒。甘辛いタレに4時間から5時間漬け込み、しっかりと味を染み込ませます。新玉ねぎを豚肉と一緒にタレに漬け込むことで、肉の食感がぐっと柔らかくなるそうです。
豆ご飯は、少しだしを入れて炊き込みご飯っぽい味にしています。小さい子どもでも食べやすいようにとの気遣いです。関東出身の斎藤さんは、町内のお母さんたちから味付けのコツを教えてもらうことも多いそうです。
斎藤さん:
(関東とは)味噌も違う、味付けも違うので、おいしいもののレシピを教えてもらっていたので、そういうのがぎゅっと染み込んでいるのかな
家では、高校生2人と小学生1人の男の子3人を育てています。
斎藤さん:
やっぱり子どもたちの食べっぷりを見たら、おいしいと食べてくれたらこのままみんなに出してあげたいと思って
満腹記者:
お子さんも幸せですね。家でこんなにおいしいご飯が出てきたら
斎藤さん:
どうなんですかね。普通に作っているだけなんですけど、すくすくと大きくなっていますよ
満腹記者:
一人暮らししたらありがたみに気づくと思います。お母さんの料理おいしかったんだなと
「気まぐれ」と名は付いていても、そこに込められているのは、お母さんの知恵と愛情。メニューは一つでも思いはたっぷり。心も体も満たされるやさしい定食でした。
「好きなお母さんの料理1位」は、「玉子焼き」です。東彼杵町でいただく家庭の味。心も落ち着く温かい味でした。
hinata食堂
住所 東彼杵町蔵本郷1865
営業 11:00~16:00
休み 不定
インスタグラム hinata.enishi