愛知・名古屋で開催されたアジア大会の男子マラソンで金メダルに輝いた、三菱重工マラソン部の山下一貴選手が県庁や母校・瓊浦高校で優勝を報告しました。
長崎市滑石出身の山下選手は、瓊浦高校から駒澤大学に進学し、卒業後は地元・長崎に戻って三菱重工に入社。現在は入社7年目で、チームのキャプテンを務めています。
県庁では、大勢の職員から拍手で出迎えられ、笑顔で金メダルを披露しました。初めて手にした金メダルについて、山下選手は「金メダルをもらうのは初めてのこと。思ったより重い。うれしいです」と喜びを語りました。
アジア大会のマラソン日本代表は、三菱重工の選手が4大会連続で出場。2018年には先輩の井上大仁選手が優勝していて、山下選手にとっては2023年の世界陸上以来、3年ぶりの代表レースでした。
名古屋には三菱重工の応援団300人以上が駆けつけました。声援を受けながらレースを進めた山下選手は、35km過ぎに先頭に立つとペースを上げ、そのまま独走。2時間10分49秒でフィニッシュし、日本、そしてチームに8年ぶりとなる金メダルをもたらしました。
アジアの頂点に立ち、母校の瓊浦高校も訪問。約700人の全校生徒から祝福を受けました。中学時代は県大会にも出場できなかったという山下選手ですが、高校では着実に力をつけ、インターハイや全国高校駅伝・都大路に出場。
高校時代を振り返り、「陸上競技に対して、高校生活の時は陸上が楽しくてやっていました。今でも『楽しい陸上をやっていた時期は?』と聞かれたら、高校生活だと答えます。楽しかったです」と語りました。
また、今月末に県高校駅伝に挑む後輩たちにもエールを送り、「かなり厳しい戦いになると思いますけど、可能性は0じゃないと思うので、信じて最後まで走り抜けてください」と激励。長距離ブロックの山口叶人主将は「チャンピオンから言葉を頂いたので、やる気が出てきました!」と決意を新たにしました。
単独インタビューでは、アジア大会で優勝できた要因についても聞きました。山下選手は「練習」と断言し、「20km、30kmといった長距離の練習で、設定したペースにぎりぎり届かないほど苦しむ練習を重ねてきた」ことを明かしました。その積み重ねが、レース終盤の走りにつながったといいます。
「そういう練習をしたことによって、最後の10kmをそのまま押し切ることができた。苦しむ練習をした分、苦しみ切りました」
アジア王者となった山下選手の視線は、すでに次の目標へ向いています。来年のMGC、そしてロサンゼルス五輪を見据え、「このアジア大会を一つのステップとして、MGC・ロスで結果を残すことを、アジア大会を走る前から監督・総監督に言われていました。この後、まずは九州駅伝・ニューイヤー駅伝を経て、MGC・ロス五輪で結果を残せるよう頑張っていきたい」と意気込みを語りました。