
「もう終わったと思いました。」
レース後、そう振り返ったのはインターハイ陸上・女子100mで優勝し、日本最速の女子高校生スプリンターとなった長崎日大3年の吉永優衣選手です。
8月1日、滋賀県彦根市で行われたインターハイ陸上。吉永選手は北九州地区予選で11秒54をマークし、今季高校ランキング1位で全国大会へ。
さらに予選では11秒47(追い風1.7m)の大会新記録を樹立し、高校歴代3位の好タイムをマークしていました。
決勝を前に、チームメートが花道をつくって吉永選手を送り出し、迎えた午後9時35分の決勝。
スタートから飛び出した吉永選手は、中盤でライバルに並ばれながらも最後まで粘り抜き、11秒57でフィニッシュ。2位との差はわずか0.01秒という大接戦を制し、全国の頂点に立ちました。
しかし、この劇的なレースの裏には、大きなアクシデントがありました。
「レース直前、最初の練習の時に股関節をつってしまって…。ずっと不安な中で走りました。レースプランも考えていたんですけど、もう何も考えずに、自分のできるところまで走り切ろうと思って走りました。」
女子100mでの県勢優勝は、2002年に長島夏子さん(当時、壱岐高)が優勝して以来、24年ぶり2人目の快挙です。
喜びを分かち合ったあと、吉永選手はこれまで支えてくれた父・誠司さんへ感謝の言葉を伝えました。
「お父さんがいたから日本一を取れたと思います。まだインターハイは終わりじゃないので、最終日までお願いします。」
父・誠司さんも「サポート頑張ります」と応え、親子で笑顔を見せていました。
日本一という夢をかなえた吉永選手。その舞台裏には、決勝直前のアクシデントを乗り越えた強い覚悟と、支えてくれた仲間や家族の存在がありました。