九州新幹線長崎ルートで未整備の新鳥栖ー武雄温泉間をめぐり、先週、佐賀県と国交省が着工への第一段階となる環境アセスの実施に合意しました。開業後も在来線の本数維持や、長崎県の財政負担などを求めた合意について、23日に定例会見を開いたJR九州と長崎県の平田知事は…。
「環境アセスメント」は、新幹線の整備による自然環境や住民生活への影響を事前に調査・予測・評価し、必要な対策を検討する手続きです。
合意文書では、特定のルートを前提とせず、南北最大12キロの幅で今年度中に事前調査を実施。来年度以降、3年から5年程度かけて環境アセスを行うとしています。
未整備区間をめぐり、JR九州は、「佐賀駅を通るルートが望ましい」とし、佐賀県は佐賀空港周辺を通る「南回りルート」に関心を示しています。
財政負担について、国は佐賀県の負担に一定の上限を設けたうえで、長崎県と佐賀県が受益の程度などを踏まえ、共同で負担することが適当としています。
また、佐賀駅を通るルートとなった場合、長崎本線と佐世保線の特急や普通列車は、開業前の本数を確保する内容で、JR九州と佐賀県の合意が成立するよう、国がJR九州に要請するとしています。
一方、佐賀県の山口知事は「環境アセス実施までの合意で、フル規格整備の合意ではない」と強調しています。
JR九州の古宮社長は23日午後の定例記者会見で、合意文書に盛り込まれた、新幹線開業後の在来線の特急と普通列車の本数確保について、慎重な姿勢を示しました。
JR九州・古宮洋二社長:
「例えば合計で10年かかるとしても10年後のエリアの需要を、我々はまだ予想は全然つきませんので、列車の本数については今時点で10年先のことを約束すると言うことは、これは今の時点ではできないと私は思っています。経営者としてちゃんと需要を想定した需要に見合った列車本数は何なのかというのを考えていくことが、我々の会社にとってはベストだと思っています」
一方で、アセス実施の合意は「非常に大きな一歩」とし、早めに山口知事と面会し、話し合っていきたいと述べました。
平田知事:
「長年続いた膠着状況から大きな一歩を踏み出すものであるというふうに認識をしております」
二者合意について、こう受け止めた平田知事。23日午後の定例記者会見では、合意文書に盛り込まれた長崎県の財政負担について、質問が相次ぎました。
平田知事:
「『長崎県と佐賀県が共同で負担することが適当』という文言で合意の中に入っておりますが、あくまでも二者の認識ということでございますので、私どもとしては、この二者の認識について我々としてはどうなのかということはまだ何ら方向性なり、決まってるわけではありません。従って、全てこれからの議論ということになろうかと思っております」
「これからの議論」と繰り返した平田知事ですが、長崎県の負担を否定する姿勢は見せませんでした。
平田知事:
「こちらの懸念というか、論点が全てクリアされるという時まで、負担の可能性を排除するものではないということであります。全てクリアされて、しかもそれが当たり前ですけど当然のことながら、県民の皆さんに理解されるかということ。ここに尽きると思っております」
長崎県はこれまで一貫して「佐賀駅を通るルート」を求めてきましたが、平田知事はルートについて「速達性が確保できるルート」と述べるに留め、「佐賀駅を通るルート」とは明言しませんでした。JR九州同様、出来るだけ早く佐賀県と話す場を設けたいとしています。