春になると、長崎の山々は桜色に染まる。
帆場岳の「百年桜」を初めて見た日、その圧倒的な存在感に言葉を失った。幹の太さ、枝の広がり、そして250年という歳月。桜は、ただそこに立ち続けてきたのではなく、激動の時代を生き抜き、数え切れないほどの人々と出会い、別れを見守ってきたのだろう。
長崎市の北東部に位置する帆場岳(ほばだけ)。通称「三ツ山(みつやま)」の名で親しまれる山頂のすぐそばで、大きく枝を伸ばすヤマザクラ。登山者らは親しみを込めて「百年桜」と呼んでいます。
かつては、雑木や雑草が生い茂り、桜はわずかに枝先がのぞく程度だったといいます。この姿を多くの人に見てもらおうと、桜の季節が近づくと造林組合員の人たちが草刈りなど整備を続けています。
百年桜に心を動かされたディレクターが、県内各地の桜と、桜に思いを寄せる人たちを取材しました。