長崎市が約10年にわたり保存修理工事を進めてきた国指定重要文化財「旧長崎英国領事館」が開館しました。
落成式を兼ねた開館記念式典には、在大阪英国総領事や長崎市長らが出席し、開館を祝いました。
海の玄関口・長崎市大浦町に建つ旧長崎英国領事館は、1908年、明治41年に建設され、第二次世界大戦が激化した1941年に閉鎖されました。イギリス人技師ウィリアム・コーワンが設計したれんが造り2階建ての建物で、明治後半期の洋風建築として貴重なことから、1990年に国の重要文化財に指定されました。
2015年から去年11月まで、国や県の補助金を活用し、約40億円かけて行われた保存修理工事では、壁面を建築当初の色に近づけたほか、建物の基礎を松杭から免震地盤に変え、耐震性を強化しました。
鈴木史朗長崎市長:
「美しくよみがえりましたこと本当にうれしく思いますし、イギリスと日本との間の交流をたどる新たな長崎の魅力として大いに活躍してくれると期待しています」
在大阪英国総領事マイケル・ブライス氏:
「私の大先輩方がここで働いていたと思いますととても感慨深いですね。私、長崎にいますが、まるでイギリスにいるような雰囲気がしますので、イギリスを身近に感じていただければ」
本館1階の「領事館展示室」では、明治期の国際交流や建築技術を知ることができます。かつて待合室だった場所には、外国人居留地の歴史を紹介するパネルが設置されています。
アーチ型の窓が特徴の「領事事務室」は、当時の執務空間を再現し、デスクの引き出しには、領事の仕事が分かるコンテンツが隠れています。応接間には、アンティーク家具が置かれ、隣の食堂には紅茶の茶葉や菓子が並び、イギリスの生活文化を体感できます。
本館2階は、長崎を題材に数多くの作品を残した洋画家・野口彌太郎の記念美術館にリニューアルしました。
長崎市文化観光部文化財課・倉田法子学芸員:
「明治時代の敷地大浦6番地がそのまま区画として残っておりますし、タイムスリップしたような、そこに紡がれてきた歴史とかを感じていただければと思います」
開館は、月曜と年末年始を除く午前9時から午後5時まで。入館料は、一般700円、小中高校生350円です。