高市政権で安全保障政策を担当する官邸関係者が、個人的な見解とした上で、「私は核を持つべきだと思っている」と述べ、日本の核兵器保有が必要だとの考えを示しました。
この発言は、オフレコを前提にした記者団による非公式取材の場で出たものです。
高市総理大臣に安全保障政策についてアドバイスする立場にあるこの官邸関係者は、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、日本としても核兵器の保有について議論する必要があるとの考えを示しました。そのうえで、「私は核を持つべきだと思っている」と述べました。
一方で、高市総理は、核兵器は持たないなどとする非核三原則の運用を変更する考えは「ないと思う」と述べ、現時点で政府として検討していないとの認識も示しました。
長崎の被爆者は・・・。
長崎被災協 田中重光会長(85):
「本当にもう腹わたが煮えくり返りますね。私たちが80年間、努力してきたことに水を差すわけですから本当、人の気持ちを何と思っているのか。核兵器で武装するなんて考え方はなくしていかなければならない。日本が進むべきは核兵器をなくすためにリーダーシップをとっていく。そして核兵器禁止条約に入るということが世界に対しての日本の貢献ではないんでしょうかね」
また被爆者の山川剛(たけし)さん(89)は、「個人的見解と断ってでも言いたかったところがけしからん。軍事力や核抑止力で平和を守るとする高市総理の姿勢の影響が大きいのではないか。行き着く先は紛争しかない。核抑止力を強めれば、相手もまた強め、エスカレートしていく方向にしかならない。武力ではなく、対話や外交で平和を守るべきではないか」と話しています。
長崎市の平和公園を訪れた人たちは…。
長崎市在住:
「反対です。やっぱり被爆地ですからね。苦しんでいるじゃないですか(被爆者の)皆さんが。自分たちの立場に置き換えたらそうなるんじゃないかなと思います」
埼玉から:
「(核兵器は)持つべきではないと思いますねこういうことがあったわけですから。(Q核抑止論については)悪い、悲しい背比べをしているだけのような気がしますから持つべきではないと思います。最悪の場合、戦争につながる可能性はないとは言えないと思いますね」
山口から:
「戦争はないほうがいいので核兵器はいらないと思いますね。ちょっと世界情勢を考えたらしょうがないかという面もあるんですけど抑止になるならしょうがないかなという面もあるんですけどね」
長崎市在住(78):
「昔は(核兵器を)持つべきではないと思ったけど、近頃は持って平和を維持する考えもあるのかなと。ないことにこしたことはないですよ、持って平和を維持する方法もあるということですね。防御といえば、核兵器を1つ持つのも防御の1つだし。でもやっぱり(核兵器を)持って平和になるのかという疑問もありますよ」
佐世保市から(24):
「自分は核を保持するべきだと思いますね。台湾有事やロシアとウクライナの問題もあるので、日本も危ないと思うから戦争をするとかしないとかという問題ではなく、日本を守るために持っておいた方がいいと思っています。同じ土俵に立つために持っておいたほうがいいと思います」
波紋を広げる今回の「核保有」発言。緊迫化する国際情勢を受け被爆地・長崎でも意見は複雑化しています。