11月に行われた県中学駅伝で長与町のクラブチーム・西彼陸友会は、地域クラブが初出場となった去年の県大会から連覇を果たし、全国切符をつかみ取りました。
チームを率いるのは、島田勝之監督(67歳)。半世紀の年齢差がある中学生たちと、部活動とは異なる地域クラブチームという環境で高みを目指す、西彼陸友会の強さの秘密に迫ります。
選手たちが通う長与中にバスで迎えにいくのが島田監督の日課です。練習拠点は、長与町の土の400mトラックの総合公園。 部活動の地域移行について、国は、少子化や教員の働き方改革のため、学校内の活動から地域クラブへの移行を推奨。長与町は、県内のモデル事業として3つの中学校すべてが、2023年度から休日の部活動を地域クラブへ移行しました。 その中で、学校の部活動とは切り離したクラブチームとして、西彼陸友会は2年前に発足。週6日、練習を続けています。部員は中学生を中心に小学生・高校生を含めて約20人。中学生は全員が長与中の生徒です。練習が始まって、1時間ほど。ほとんど走ることはなく、効率的なフォームで走れるように、丁寧な動き作りが続きます。 以前は中学教員だった島田監督の指導歴は、40年以上。これまで数々のランナーを輩出してきましたが、自身は野球部出身です。諫早高校のときには甲子園にも出場しました。元ランナーでないことが自身の強みだと話します。 いよいよメイン練習です。選手たちが走り始めると、ストップウォッチを握りしめた島田監督の檄が飛びます。愛のあふれる声かけです。ゴールした選手たちがもう一度走り出し、遅れてしまった選手のもとへサポートに向かいます。エールを送り、最後は全員でフィニッシュ。力の差はあってもチーム全員で1つの練習に取り組みます。 西彼陸友会の活動は、グラウンドだけに収まりません。練習が休み日の学校終わり。島田監督の自宅に集まって勉強会です。 テスト前や長期休暇にはみんなで集まって、和やかな雰囲気で勉強に励みます。まるで学習塾のような光景です。生徒たちが勉強する側には、駅伝の優勝旗が飾られています。夏休みにはお手製のチェックシートを作って、宿題を管理しています。 「昭和の指導」と話す島田監督の愛にあふれた熱意と、その指導に応えた令和の子どもたちがつかみ取った全国切符。より高みを目指して大舞台に挑みます。 島田勝之監督:「去年(の全国大会は)43位という順位で自分としては本当に不本意。悔しかったですね、正直。(今年は)できればもう一つ先が将来的に見える位置に行ってみたい」 滋賀で開かれる全国大会は14日(日)に開かれ、長崎からは女子代表・西彼陸友会と男子代表・郷ノ浦中(壱岐市)が出場します。
横山希歩選手:「初めて全国大会という舞台に立って、去年の順位を知ることができたからこそ、もっと順位を上げていかないなって思いました」
鳴瀬彩夏選手:「全中駅伝では去年も走っているから、去年の経験も生かして、チームに貢献できるような走りをしたい」