秋の大祭長崎くんちは9日、3日間の祭りに幕を下ろし、感動のフィナーレを迎えました。
昨夜10時前。浜町のアーケードにやってきた諏訪町の「龍踊」。庭先回り最後の演技を見ようと多くの観衆が集まりました。朝5時に起きの佐々木策哉くん(7)。お母さんに起こされ、最後の庭先回りへ。元気いっぱい龍を操り観衆を沸かせました。
子龍・佐々木策哉くん(7):「楽しかったです」
続いては大人の出番。
近金幸太郎さん:
「これが最後と思うと感動しますね最後まで完璧に最後なんで頑張ります」
「心一つ」に。夜遅くまで待ってくれた観衆に感謝の舞です。午後10時半ごろ、奉納踊りと庭先回りを終え町に帰りました。
最後は、支えてくれた家族や町の人たちに感謝を込めた渾身の「仕舞踊」。疲労もピーク中、龍方たちの表情は笑顔にあふれていました。町にこだまする万感の「モッテコーイ」。最後は青と白の「双龍」が優雅で、勇壮に、そして美しく舞いました。
龍方・山下俊雄さん:
「力をふり絞って最後までやり遂げられたというのがあって応援してくれた方々には感謝の一言です」
龍の尻尾「龍尾」を務めた山下俊雄さん。娘の麗愛良さん(12)は囃子を頑張りました。
山下さんの娘・麗愛良さん(12):
「とても楽しくて友達との絆をより深められたので。とてもうれしくて、楽しかったです」
山下さんの妻・杏寿さん:
「人とのつながりだったり縁とか、家族の絆が深まるような気がして、そう感じられるくんちって、最高だなと思いました」
龍方・山下俊雄さん:
「くんちが終わったら今度は奥さんの方に尻尾を振って機嫌を取っていかないといけないのかなと。ハハハ」
山下さんの妻・杏寿さんは諏訪町生まれ、諏訪町育ち。兄や従妹も龍方で出演しました。
杏寿さんの母・近金真由美さん:
「龍頭の幸太郎がばっちり上げてくれたので、二番はうちの息子が持って、尻尾を娘婿が持ってとてもうれしかったですね」
龍方(龍頭)・近金幸太郎さん(杏寿さんの従兄弟):
「今思えばただ楽しかったなというのはありますけど、前日、中日は本当にきつかったなというのがあります。しっかり最後までやりきることができたかなと思います。悔いはありません」
龍方(二番)・近金竜也さん(杏寿さんの兄):
「今後の財産になっていくと思うので、また次回も必ず出たいと思います」
初挑戦の金出大和さん、24歳。長崎市出身の現役の東京大学大学院生で、東京の社会人サークルでも龍踊をしています。
龍方・金出大和さん:
「こんな経験はないと思うので、こんな3日間龍を振り続けるという。この貴重な経験は東京で龍踊をする時にも生きると思いますし、人生にも生きてくるかなと思います」
最後は町一体となって奉納の無事達成を祝いました。
一方、こちらは昨夜7時半ごろの新橋町。仕舞踊では長崎検番の芸妓衆があでやかな舞を披露。万歳と才蔵によるコミカルな阿蘭陀万歳で観衆を魅了しました。「ショモーヤレ」の掛け声には「長崎ぶらぶら節」で応え、観衆からは鳴りやまない拍手が沸きました。
踊子・芸者(初参加)・いち果さん:
「不安が最初多すぎたので思っていた10倍楽しかったです」
踊子・芸者(初参加)・弥生さん:
「たくさんの人に踊りを見てもらえて、名前も呼んでもらえて、本当に幸せな3日間だったなと思います」