去年10月の衆院選をめぐり、公職選挙法違反の罪に問われた自民党・下条陣営の元事務局長の裁判で、長崎地裁は「罰金50万円」の有罪判決を言い渡しました。
長崎市の団体職員白本浩衛被告(67)は、去年の衆院選長崎1区で落選した自民党の下条博文氏(50)の陣営で事務局長を務めていました。
判決によりますと、白本被告は公示前の10月、選挙運動員2人と共謀し、有権者に下条氏への投票を電話で依頼する「電話隊」の12人に対し、時給1000円を支払う約束をしました。
白本被告はこれまで「選挙運動員に対し、相談半分で『電話をかけることができる人はいないだろうか』と話した際、選挙運動員が『アルバイトの人集めを依頼された』と勘違いした」「『有償』や『アルバイト』などという言葉は使っていない」などとして無罪を主張していました。
太田寅彦裁判官は「被告は時給1000円で電話隊の人集めをすることを了承した」「電話隊に『これはあくまでボランティアということでお願いします』『誰かに聞かれたらアルバイトではなく、ボランティアと言ってください」と口止めをしていた」などとして被告の主張を退けました。また10月下旬には警察による事情聴取が始まることを知ると下条氏らと対策について話し合っていたことを認定。
その上で「民主主義の根幹を害する悪質な犯行で、国政選挙の公正を蔑ろにしたことは厳しい非難を免れない」などとして罰金50万円の有罪判決を言い渡しました。
弁護人は控訴について「今後協議する」としています。