長崎市松山町の平和公園にあるスポーツ施設の再整備をめぐり、有識者らでつくる検討委員会が報告書をまとめ、鈴木市長に提出しました。
長崎市と時津町の間では、渋滞解消などのために南北幹線道路の建設が予定されていて、長崎市は平和公園内にあるスポーツ施設を再整備する方針で検討を進めてきました。
鈴木市長は去年11月、市民総合プールを現在の陸上競技場の場所に移し、陸上競技場を茂里町の中部下水処理場跡地に移す案が妥当と判断。この方針をもとに市が今年3月までに示した整備計画案では、陸上競技場の南側にプールを造り、北側には運動やイベントができる芝生の広場を整備するほか、爆心地公園と被爆校舎がある城山小学校の動線となるエリアには被爆の歴史や平和の尊さを発信する広場を整備するなどとしていました。
大学教授らでつくる検討委員会は、こうした市の整備計画案を、了承した上で報告書をまとめ、鈴木市長に提出しました。報告書では「平和を感じ、交流するゾーン」として西地区を位置づけ、多様なニーズに対応した平和を実感するスポーツ環境を創出し、新たな玄関口として平和を伝える機能を向上させるとしています。
県立大学名誉教授・平和公園再整備基本検討委員会西岡誠治委員長:
「過去の歴史も踏まえて西地区自体も平和を発信するような、祈りを捧げるような空間であるということを考え直さないといけないという委員の意見を踏まえた計画」
鈴木市長:
「市民の皆様に愛され、親しまれ、市民の憩いの場として、今後みんなの公有の財産として未来にわたって残せるような平和公園、西地区の再整備を進めていきたい」
市は報告書をもとに2036年度の南北幹線道路の完成を目指して、各スポーツ施設の規模や道路工事に合わせた施設整備の流れなどの検討を進めるとしています。