県が進める南北幹線道路の整備に伴う平和公園周辺の再整備を検討する委員会は市民プールを陸上競技場と中部下水処理場に移転する2つの案に絞りました。これでいったん検討を終え、中間報告として市に提出します。
検討対象となっていたのは、長崎市松山町の長崎市民総合プールや市営陸上競技場などのスポーツ施設です。22日、6回目の検討委員会と再検討部会の合同会議が開かれました。
市は今年3月に、6つの案を示し、協議の結果、市民プールを陸上競技場に移し、陸上の練習場を茂里町の中部下水処理場に設置する案と、陸上競技場を残し、プールを下水処理場に移す2つの案に絞りました。
プールを中部下水処理場に移す場合は、約15億円の基礎費用に加え、地下構造物の対策費や駐車場整備費など合わせて約27億円にのぼる費用を懸念する声や、費用は見直せるとの意見も出ました。
一方、プールを陸上競技場に移す案は、基礎費用が約2億円、陸上練習場の整備費がおよそ2億2000万円、合わせて4億2000万円と比較的コストがかからないことから、この案を支持する意見が多く出ました。
長崎商工会議所都市整備委員会・谷川喜一副委員長:
「中部処理場の跡に(陸上)トラックを造る。ここが防災機能も持つ。あわせて隣のジャパネット新スタジアムホテル利用者も公園として使える」
長崎市営松山平和運動公園を守る会・井上秀明事務局長:
「なぜプールを陸上競技場に移転し、別途、陸上競技場を他の場所に移転しなければならないのか、これこそ税金の無駄遣いと市民からそしりを受けることになる。特に原爆被爆者の多くが眠る松山陸上競技場を掘り起こすことは、平和を希求する長崎市民、県民の後世に禍根を残すことになる」
委員会はこれでいったん検討を終え、意見を中間報告として市に提出します。