浮石寺の要請を受け、約100日間の法要のため貸し出されていた「観世音菩薩坐像」。10日、引き渡しを前に最後の法要が営まれました。
田中節孝前住職も参列し、その目には、涙を浮かべていました。
法要のあと、仏像は輸送のため箱に梱包され、浮石寺の僧侶が経を読む中、日本へ向け運び出されました。そして12日未明に対馬に到着し、午前10時すぎに観音寺に運び込まれました。
観音寺の檀家:
「うれしいやら寂しいやら半分半分。帰ってきたのはうれしいけど、すぐ(対馬博物館)に行き地元に残らんからその寂しさはある」
宇佐美武史記者:
「午後1時前の観音寺です。檀家らが集まり始めました。この後、午後1時から法要が始まります」
非公開で行われた法要には檀家ら約30人のほか、比田勝市長も参列しました。約40分間、12年7カ月ぶりの観世音菩薩坐像との再会の喜びをかみしめました。
観音寺・村瀬辰馬総代長(70):
「13年ぶりに戻ってきて安心しました」
総代長の村瀬辰馬さん(70)は無事に仏像が帰ってきたことを、盗難当時の総代長で3年前に亡くなった父・敬三さん(享年90)に伝えたいと話しました。
観音寺・村瀬辰馬総代長(70):
「やっと取り戻したと言いたい。(Q.お父様は何とおっしゃるか)あぁ良かったって言うでしょうね。うれしいと言うんじゃないんですかね」
観音寺・田中節孝前住職(78):
「無事に帰ってこられて、元の座にお座りになった観音様を見て、拝んでこういうこともあり得たのかと感慨にふけっております」
「観世音菩薩坐像」は再び盗難被害に遭わないよう、セキュリティー対策が施された対馬博物館で保管します。
また、今週金曜16日から来月15日(日)まで対馬博物館で仏像が特別公開されます。