69年間、子どもたちの成長を見守り、地域と共に歩んできた長崎市の桐ノ木保育園で閉園セレモニーが行われ、卒園者を含め、多くの人が思い出の場所に集まりました。
大浦地区の高台にある保育園の園庭には、別れを惜しむ多くの人が集まりました。
長岡尚子園長:
「閉園は寂しいですけども、きょう寂しい、寂しいではなくて、ここに来た皆さんと一緒に楽しく明るく、思い出深いものになるように進めていきたいと思います」
施設の老朽化のため、3月末、69年の長い歴史に幕を下ろした桐ノ木保育園。のびのび育った園児たち1505人がここから巣立っていきました。卒園前の園児たちは、4月から統合先の大浦保育園に通います。
閉園セレモニーを明るく盛り上げようと登場したのは、長崎孔子廟専属の変面師・京介さん(27)。実は桐ノ木保育園の卒園生です。最前列に座る園児たちも興味津々。自然と手拍子を送ります。あまりの迫力に驚いてしまう園児もいましたが、これも、いつの日かきっといい思い出になるはずです。
桐ノ木保育園の卒園生 変面師・京介さん(27):
「すごく懐かしいという思いもありますし、先生方も覚えて下さっていてすごくうれしく思います。こうやって桐ノ木保育園が無くなるのは寂しいんですけどこういう式で踊ることができてすごくうれしく思います」
法被姿で登場したのは、保育園最後の卒園児たち。4月からは小学1年生のお兄さん、お姉さんになります。凛々しい表情で、お友達とたくましく太鼓の音を響かせました。園児たちは歌も披露しました。
最初は預けるのが、不安だった子どもたちは、桐ノ木保育園で心豊かに、大きく立派に成長しました。閉園セレモニーの最後にはみんなで感謝の気持ちを込めて、風船を飛ばします。色鮮やかな風船は、青空に向かって広がり、飛び立っていきました。
お母さん:
「約9年間、お世話になってお姉ちゃん、お兄ちゃんも本当に感謝の気持ちでいっぱいです」
園児:
(ちびっこくんちはどうだった?)「ワクワクした。緊張した」
お母さん:
「この先もずっと続けてほしかったのが本音。先生方もたくさん愛情を注いで頂いたので、よく遊びよく寝てくれてすごく助かりました」
毎日、園児を迎え入れてきた先生たちにとっても、ここは思い出がいっぱい詰まった場所です。
23年勤務・松原美千代先生:
「やっぱりここが無くなるのが寂しいです。子どもたちをずっと見てきて、ずっとつながりがあって、本当に家族のような温かい場所でした。保護者様にも地域の皆様にも恵まれていて、感謝の気持ちでいっぱいです」
閉園セレモニーには、卒園生たちも駆けつけました。
卒園生:(思い出は?)「お泊まり保育でみんなで雑魚寝」
卒園生(19):
「ちびっこくんちやりました、やりました。和太鼓とかやったことないことをやって先生たちも熱心に教えてくれて、それもいい思い出ですね。先生たちも園児たちもみんな楽しそうに可愛く歌ってそれ見て、無くなるのは寂しいけど、これもまた一興かなと思いました」
笑顔であふれ、多くの涙もあったセレモニー。桐ノ木保育園は69年間、地域の人たちと共に歩み、数えきれないほどの思い出を生み出してきました。ここが無くなっても、記憶や、絆が無くなることはありません。