他人の後払い決済サービスのアカウントを使って不正にスマホを購入、転売し、7000万円を売り上げていたとして7人が逮捕された事件で、県警が総括を発表しました。
全国的に急増する「匿名・流動型犯罪グループ」=通称・トクリュウの要素も含まれる犯罪グループの特徴やその手口とは。
この事件は住所不定の飲食店経営者、石坂大樹容疑者42歳が2021年1月から去年3月にかけてSNSで知り合った知人などと共謀して、他人の後払い決済サービス「Paidy」のアカウントを使って、スマートフォンを不正に購入し、転売するなどしていたものです。警察が把握する被害者の数は全国でおよそ20人。石坂容疑者らは、合わせて約500台のスマートフォンを不正に購入・転売して7000万円を売り上げていました。
県警は去年7月に茨城県警と合同捜査本部を設置して捜査を行い、首謀者の石坂容疑者を含む7人を電子計算機使用詐欺や組織犯罪処罰法などの疑いで逮捕しました。
県警によりますと、売上金7000万円のほとんどは店の経営資金や生活費に使われていました。
7人は石坂容疑者が経営する飲食店で働いていた従業員やSNSを通して知り合った知人などで、石坂容疑者は当初、末端の構成員を得るために、マッチングアプリで比較的社会経験の少ない若い女性を狙っていました。
言葉巧みに信頼関係を構築し、「仕事を手伝ってほしい」などと言ってスマートフォンを購入させ、借金を負わせることで犯罪グループから抜け出しにくい状況をつくっていました。
他にも自身の飲食店の元従業員などにも声を掛け、メンバーが入れ替わりながらグループを構成していったということです。
県警は引き続き余罪について捜査していく方針です。
またSNSは、自身の身元を明かすことなく情報を発信でき、なりすましが可能で、相手を安易に信頼して個人情報を教えてしまうと犯罪被害に巻き込まれる可能性があるなどとして注意を呼びかけています。