潮の流れで電気をつくる国内初の大型潮流発電機が完成し、お披露目されました。
来月から五島の海で、商用化に向けた実証実験が始まります。九電みらいエナジーが手掛けた国内初の大型潮流発電機、その名も「なるミライ」。高さ約23メートル、重さ約1000トン。発電出力は1100キロワットです。
この大型潮流発電機が来月7日(金)、五島市の奈留島と、久賀島の間に位置する「奈留瀬戸」の海底40メートルに設置され、商用化に向けた実証実験が始まります。
九電みらいエナジー・水町豊社長:
「離島を含めたカーボンニュートラルをこの九州から実現していくためにも、今回の実証実験の意義は大変大きいと考えている」
]潮流発電は、海中の潮の流れを利用してタービンを回し発電するため、燃料がいらず、環境負荷が少ないクリーンエネルギーです。また、太陽光や風力発電と異なり、発電量の予測が可能で、安定的に発電できるメリットがあります。
今回、元々500キロワットだった発電出力を、2倍以上の1100キロワットに改造し、8倍の発電量を実現させたのは、長崎市で一般機械器具製造を手掛ける三菱長崎機工です。
三菱長崎機工・中村壽弥社長:
「機械部品の製作から組み立て、制御も含めて、総合力がありますので、改造の施工をお手伝いさせていただいた。社会のニーズ、要請があれば今後しっかりと応えていきたい」
水町社長:
「今後国内のサプライチェーンでどこまで、メンテナンスできるかも一つの課題だと思っています。複数台並べて出来るだけたくさんの発電ができることを今後考えていきたい」
1年間の発電で、一般家庭約800世帯分の発電量を見込んでいます。
また、本体のプリント絵を描いた地元・奈留島の小学生や高校生も招待され、記念品が手渡されました。実証実験は、来月から約1年間です。
県は、「発電事業が基幹産業に成長することで新たな雇用が生まれることを期待したい」としています。