長崎海上保安部の潜水士、通称「海猿」が新年最初の水難救助訓練、「訓練はじめ」に臨みました。海上保安庁史上初の女性潜水士も成果を披露しました。
長崎の海の安全を守る長崎海上保安部の潜水士。
巡視船「でじま」の潜水士7人が、海水温15℃、最低気温3.7℃の寒空の下、
今年最初の訓練を行いました。
【長崎海上保安部 本野 勝則 部長】
「昨年は、年始早々能登半島地震の対応と現場が混乱する中、
迅速・的確に支援活動を行っていただいた」
「救助技術の向上、またそれに裏付けられた自信につなげていってほしい」
潜水士は、自らの命が危険にさらされる現場で活動するため、
日々、過酷な訓練を重ねています。
去年8月、海上保安庁史上初の女性潜水士として着任した
濵地多実さん(24)も参加しました。
陸地から、ロープを使って船に乗り込む「渡過」訓練や…
【濵地多実さん(24)】
「長崎の海は私が守ります」
意気込みを宣言した後、高さ8mの船首から海に飛び込み、
「救助訓練」などに挑みました。
【濵地多実さん(24)】
「先輩方との力の差を実感しているので、まだまだ努力が必要だと感じています」
その後も濵地さんらは、仲間や観衆の声援を受けながら、
10キロの重りを持ったまま行う5分間の「立ち泳ぎ」や、
海からロープをたどって船まで登る「登はん」訓練も最後までやりきりました。
【濵地多実さん(24)】
「今回行った訓練は、どれもきつかったが、しっかり全種目やりきることができて、
とても良いスタートが切れたと思う」
「失敗を恐れずに、何にでも挑戦して、成長できる年にしたい」】
【川島優太 潜水班長(25)】
「今年度はクルーズ船も多く入ってきて、長崎の人が増えていくことになるかと思うが、事件・事故がないようにしていきたいと思う」
「不可抗力で起きた事件・事故に関しては、
必ず私たちが助けて、救助するという思いで日頃から訓練を行っています」
去年、「でじま」の潜水士たちは、行方不明者の捜索や座礁船の対応などで
14回出動しました。
長崎海上保安部は、「要救助者を救うために、海で事故に遭ったり、見かけたりした場合は、118番へ通報してほしい」と呼びかけています。