今年も上半身裸の男たちが大ハッスル!諫早市で無病息災などを願う奇祭「畳破り」が行われました。
諫早市白浜町の楠公神社でおよそ260年続く「畳破り」。鎌倉時代の1333年、城に籠った楠木正成を幕府軍が攻め立てた「千早城の攻防」を再現していると言われています。
合戦前、あるお宅にお邪魔すると…。
楠木軍役の男たちが腹にさらしを巻き、祭りに向けて準備を進めていました。
【楠木軍(守り手)】
「負くんもんか!攻め手の足利勢には、負けません!楠木勢は(守り手)」
【記者】
「山本さん!」
【山本 伸幸 さん (72)】
「あら!どうもどうも!」
山本伸幸さん72歳。山本さんといえば去年…
【山本 伸幸 さん (72)】
「(お宅らは)どこ?」
【記者】「NCCです」
去年、千鳥足ながらも攻め手として大ハッスルを見せ、祭りを大いに盛り上げました。
【山本 伸幸 さん (72)】
「楽しいもんね、畳破りの終わらんば、白浜町の正月は絶対終わらない」
守り手の楠木軍は拝殿へと移動し、神事で体を清めて祭りの成功を祈ります。
一方、攻め手の幕府軍は鎧に見立ててたわらを頭にかぶり、気合を入れていました。
楠木軍は畳を盾にして、幕府軍を待ち受けます。
【山本 伸幸 さん (72)】
「(踊りながら)はい!来いよ~!はよこい!はよこい!」】
山本さんも気合十分のようです!そしてついに…
【山本 伸幸 さん (72)】
「来たぞ来た!」
幕府軍の男たちが次から次へと畳に突っ込みます。
まさに意地と意地のぶつかり合い!両軍一歩も引きません!
しかし、ついに幕府軍が畳を押し倒し、拝殿へとなだれこみます。
そして男たちは、稲の魂が宿り、御利益があると言われるわらを激しく互いの体にこすりつけます。
途中取っ組み合いも始まりました。
次に「弓取り」。的をめがけて放った縁起物の竹の矢を男たちが奪い合います。
最後に紅白餅を見物客にまいて、福をおすそ分けしました。
【参加者】
「白浜町に引っ越ししてきて7年過ぎましたが、今年が最高の祭りだったと思います。良かったです」
【山本 伸幸 さん (72)】
「人口がいっぱい増えたらいいと思う人間おらんもん、この祭りされんさ(人が)いっぱい来て、人口が増えたらいい」
【牟田幸雄自治会長】
「今年もけがなく、元気に皆さんあまってくれたので非常に良かった今年一年いい年であるというふうに私は感じています」
今年も笑い声と歓声に包まれた「畳破り」。
冬の日差しが暖かく感じられる中、参加者らは1年の豊作や無病息災を願いました。