県と佐世保市が川棚町に建設を進める石木ダムを巡り、建設事業の再評価を行う第三者検討委員会が佐世保市で開かれました。
「佐世保市上下水道経営検討委員会」は、5年ごと、もしくは社会の経済情勢の変化に応じて、事業を再評価するもので、2020年以来5回目の開催です。委員会は市の諮問を受けた大学教授や公募で選ばれた市民など第三者の9人で構成します。初回は将来の水需要に関する予測が審議されました。
市水道局は現在の安定水源量を1日最大7万7000トンとして、20年後には最大11万7702トンの水が必要になると説明。不足する4万702トンを補う必要があるとし、委員の賛成で承認されました。この水需要予測に対し、別室で傍聴していた反対派の市民からは疑問の声が上がりました。
石木川まもり隊・松本美智恵さん:
「持続可能な社会をどうやって構築していくかという発想とは真逆の発想の水需要予測だったと思います。石木ダム事業が計画されて今年でちょうど50年なんですよね。50年作られてこなかったということはそれほど必要がなかったということになると思う」
石木ダムを巡っては、去年8月に開かれた県の公共事業評価監視委員会で、完成時期が2025年度から2032年度に7年延期されました。総事業費も物価上昇などの影響で285億円から135億円増加し、420億円になる見通しです。
次回は来月中に開き、水源確保の代替案や建設費の費用対効果について審議する予定です。