南北幹線道路の建設に伴う長崎市松山町のスポーツ施設の移転をめぐり、被爆者や市民団体が陸上競技場の現地存続を求めた請願が市議会で否決されました。
長崎市は費用面などから市民プールを陸上競技場に移し、400メートルトラックは茂里町の下水処理場跡に整備する方針です。一方、被爆者4団体や市民団体など計8団体は、「原爆死没者の遺骨が掘り起こされる可能性がある」などとして競技場の現地存続を求める請願を出していました。
最終本会議では、請願を「不採択」とした総務委員会の審議結果が報告され、議員から継続審査を求める意見が出されました。
日本共産党・中西敦信市議:
「スポーツと健康増進を中心に多くの市民が集い交流する場となっている今の松山陸上競技場はまさに平和の大切さを発信している市民の宝です」
採決の結果、賛成30、反対6の賛成多数で「不採択」となりました。
長崎市営松山陸上競技場・
平和公園を活かし隊南輝久代表:
「非常に残念ですね。引き続き市民の輪を広げて市に対して資料の充実、的確な説明、提出を要求して議会に対しても議会としての監視機能も発揮してもらうように求めていきたい」
不採択を受けて、被爆者・市民団体側は、「市政を監視する議会としての機能を果たさず、利用者・市民の声に背を向けた」などとする岩永議長宛ての声明文を議会事務局に提出しました。