佐世保クルーズセンターに隣接する広場で建設が進む灯籠タワーの費用を巡り、市民から疑問の声が上がっています。
1基当たりの建設費は約8000万円。設置が費用に見合うにぎわいを生み出せるのでしょうか?
中嶋航大記者:
「今年6月に供用が始まった浦頭地区の佐世保クルーズセンター。広場に建設されているのが灯籠タワーです。市は年度内に合わせて3基を設置する考えです」
市内2カ所目の国際クルーズ拠点として国や市、世界最大のクルーズ船運航会社「カーニバル社」が、総額約92億円をかけて整備した「佐世保クルーズセンター」。
灯籠タワーは佐世保クルーズセンターの観光のシンボルとして広場内に計3基が常設される予定です。
1基に使われる提灯の数は3500個。高さは25メートルです。当初の事業費は約1億8000万円でしたが…。
宮島佐世保市長(9月定例会):
「灯籠タワーの建設に係る資材価格の上昇などによる佐世保港国際クルーズ拠点形成事業費など9900万円を計上し…」
市は、市議会9月定例会の特別会計補正予算として港湾整備費に9900万円を計上。うち4000万円が灯籠タワーの追加予算です。
市の港湾部によりますと、全国的に夏祭りが再開されたことで、提灯の価格が1個当たり1300円が2600円に倍増。提灯の費用として910万円。この他、人件費や諸経費に1890万円。8月下旬の台風10号により、提灯約50個が破損したことを受け、補強対策費に1200万円が必要となったとしています。
追加の建設費には国からの補助金が当てられ、「市の財源は使用しない」としていますが、残り2基の灯籠タワー1基当たりの建設費は当初の6000万円から8000万円にまで膨らみました。
これに佐世保市民の反応は…?
40代男性:
「8000万円!?それを市の税金で?正直いらないんじゃないですかね。もったいないですよね。(灯籠タワーが)8000万円するって言われたら正直8000万円の価値はない」
70代男性:
「いらないんじゃないですかね。特別目立つわけでもないし、どうってことないしね。夜はほとんど閉まっていてあんまり意味がないかなと」
佐世保クルーズセンターの供用開始から現在までの入港実績は6隻。年内の入港予定数も残り1隻となっています。
一方、市内もう1カ所の国際クルーズ拠点である三浦地区では、同じ期間に34隻が入港。年内は、さらに13隻の入港が予定されています。
佐世保クルーズセンターは三浦地区と比べるとまだまだ入港数が少ないのが現状です。
中嶋記者:
「今後も災害級の強風が吹く度に提灯の補修などで維持管理費が必要となる可能性もあります。灯籠タワーがその費用に見合ったにぎわい創出につながるか今後の行方に注目です」